TOP > JOURNEY > アクマリ旅行記 > アメリカ旅行記 > シカゴ
シカゴ
シカゴはニューヨーク、ロサンゼルスに続くアメリカ第3の大都市です。

五大湖の一つ、ミシガン湖の岸辺に発達した都市ですが、
国土のほぼ中央にあるため交通の要所として非常に栄えております。

とくに鉄道網はシカゴを中心に、放射状に発達しています。

ディズニーのパレード

僕達がシカゴに到着したのは11月23日(土)の夕方でした。
平原を走っていた列車の車窓がだんだんと街になり、夕陽に赤く染まった摩天楼が姿を表しました。
列車に乗ったアリゾナでは、昼間は暑いくらいだったのですが、
シカゴは凍えるような気候で、4日間のうち、2日は雪でした。

さて、僕達がシカゴに到着した日、たいへんラッキーなことにお祭りの日でした。
といっても、そのことを僕達は知らなくて、人だかりができているのでのぞいてみたらお祭りだったというわけです。

そのお祭りの名前は「マグニフィシェント・マイル・ライト・フェスティバル」といいます。
ミシガン通りという、シカゴのメインストリートがあって、
街路樹をクリスマスに向けてライトアップするのですが、その点灯式みたいなものです。

通りの両側にものすごく大勢の人が集まっていました。
何十万人いたか分かりませんが、寒い中、みんな楽しそうに待っているのです。

そして、北のほうからサンタクロースやミッキーマウス、ミニーマウス、
その他たくさんのディズニーキャラクターがいろんな乗り物に乗ってやってきました。
みんな大喜びで、大変な歓声に包まれます。

僕は日本のディズニーランドすら2回しか行ったことがないし、映画もあんまり見ないので、
キャラクターの名前が全然分かりませんでしたが、
Sachikoや周りの子供たちは「あー!ナントカだ!」といちいち盛り上がっていました。

パレードがやってくると、通りの両側の街路樹につけられた電球が次々と点灯してゆきます。
これはとても荘厳で、夢のある演出でした。パレードが通り過ぎるとたくさんの花火が上がりました。


水族館とプラネタリウム

この日は朝から地下鉄に乗って、シェッド水族館とアドラー・プラネタリウムへ行きました。

シカゴの市内は「L」という高架鉄道が大活躍しているのですが、
一部地下鉄になっていて、僕らが乗ったのは地下鉄だけでした。
切符は、改札口でプリペイド・カードを買う仕組みになっています。

水族館や自然史博物館、プラネタリウムは、ミシガン湖畔に固まってあります。
このあたりからシカゴの摩天楼が湖の向こうに、とてもカッコよく見えます。

ミシガン湖は地球上で6番目に大きな湖なので、水平線が見えます。


これはシェッド水族館から見たシカゴの街並みです。
シカゴの高層ビルはどれも個性的で、や
はり日本の大都市と雰囲気が違います。
左端がシアーズ・タワーです。

シェッド水族館もアドラー・プラネタリウムも、たいへん充実していて、それぞれが一日がかりで楽しめます。
水族館では世界中の珍しい魚がいました。
とくにアマゾンのコーナーと、熱帯のコーナーは見たこともないような不思議な魚がいっぱいでした。
イルカショーも見ましたが、英語が全然分かりませんでした。

アドラー・プラネタリウム(天文学博物館)は1930年設立というたいへん歴史の古いプラネタリウムで、
パンフレットには「西半球で初めてのプラネタリウム」と書いてあります。
ここには2つのドームがあって、それぞれが2つずつの番組を上映してます。
スカイシアターという方は、日本によくあるプラネタリウムと同じ感じです。

僕達がみたのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた様々な成果を紹介する番組でした。
面白いことに、僕はプラネタリウム番組の英語はほとんど聞き取れ、意味も良く分かりました。
というのも、たぶん映像を見た時点で何の話をしているのかほぼ予想できるので、そのせいだと思います。

僕はプラネタリウム番組のナレーションに音楽をつける仕事もしていますが、
日本人の感じる「宇宙っぽいサウンド」と、アメリカ人のそれは、明らかに違う空気があると、感じています。
以前、中国の北京のプラネタリウムを見に行ったことがありますが、
その時も、番組の内容、お客さんの反応など、とてもカルチャー・ショックを受けましたが。。。
今回も、いろいろ「なるほどなー」と思うことがありました。

ここにはもう一つ、スターライダー・シアターというのがあります。
もしもあなたがここを訪れ、どちらか一つしか見る時間がなく、
とくに天文マニアでないなら、こちらのほうがオススメです。
とにかくこっちは、映像が派手で、まるで宇宙を旅しているような気分になります。

僕達が見た番組は、太陽系の9つの惑星を旅してゆく内容でした。
観覧者が手元のボタンで、ツアーを操作できます。金星や火星では地表におりて、
みんなで宇宙船を操作して旅するのですが、岩壁にドカドカぶつかって、
アテンダントのお姉さんが「うーん、みんながんばって!前に進んで!前に!」と言っていました。


アドラー・プラネタリウムはミシガン湖のほとりにあります。

恐るべきシカゴ・ピザ

この日の晩ご飯は、ガイドブックに出ている有名なピザ屋さんに行きました。

シカゴのピザは大変有名な名物なんだそうです。
ボリューム満点!などと書いてあったので、食べきれるだろうか、などと心配しながら行きました。

僕達が行ったのは、宿のすぐ近くにあった「ピッツェリア・ドゥエ」というお店です。
店に入ると、待っている人が大勢いたので、名前を伝えてしばらく待ちました。
名前を言うときに、「で、サイズは?」といきなり聞かれたのでビックリして店員さんが指差すほうを見ると、
いろんな大きさの円が描かれていたので、「えー、あー、じゃ、とりあえず中くらいので。」と言いました。
が、このとき、いちばん小さいサイズを注文するべきだったと猛烈に後悔することになるとは知る由もありませんでした。

ようやく席につくことができ、ビールを飲んでサラダを食べていると、
やっとピザが1枚、運ばれてきました。最初に見たとき、イヤーな予感がしました。
確かに大きさはさっきの絵の円と同じなのですが、厚さが5cmくらいあるのです。
円の8分の1の一切れでさえ、巨大なパンみたいなのです。
これは、がんばって食べないと!と思ってガンガン食べ始めました。

ピザは、生地は普通の厚さでしたが、その上に肉の層が1.5cmほどあり、
さらにサラミにキノコ、ありとあらゆる具がたっぷりのトマトソースに包まれております。
シカゴのピザは「スタッフド・ピザ」といって、みんなこういうのなんだそうです。

結局、半分も食べきれずに、残りを箱に入れてもらって宿に持ち帰って翌日の朝にまた食べましたが、
それでも食べ切れませんでした。
それにしても、味はとても美味しくて、素晴らしかったです!


シカゴ美術館

シカゴで一番楽しみにしていたのが、シカゴ美術館でした。
ここには印象派の絵画がたくさん展示されています。
メトロポリタン、ボストンと並んで、3大美術館の一つです。
ここには、ジョルジュ・スーラという画家の「グランド・ジャット島の日曜日の午後」という有名な作品があります。

僕が絵画に興味を持ち始めて、初めて「自分で」買った西洋絵画の本の表紙がこの絵だったので、
本物を見られることにドキドキしていました。
どんな絵かというと、公園みたいな芝生が広がっていて、左側に水辺があります。
芝生の木陰には、たくさんの人が遊びに来ていて、
みんな水辺の方を向いて立ったり、座ったり、寝転がったりしています。
日傘をさしているご婦人もいます。見たことありませんか?

この絵のすごいところは、「点描」なのです。
遠くから見ると、そういう絵に見えるのですが、
近くで見ると、その正体はいろんな色の点々の集合なのです!
展示室に入って、これを見つけた瞬間は感激のあまり立ちすくんでしまいました。
予想していたよりも、とても巨大な絵でした。描かれている人間が、本物の人間と同じくらいの大きさです。
みんな近くへ行ったり、遠くへ行ったりして見ています。僕はこの絵だけで30分くらい見ました。

面白いのは、この絵の反対側の壁に、
スーラがこの巨大な絵を描く前に書いた試作品みたいなのが展示されています。
構図や色は同じなのですが、こちらはすごく小さいのです。
両方比べて交互に見ると、とても面白かったです。

僕はモネ、ミレー、ゴッホなどが大好きです。モネの絵はたくさんありました。
どれも素晴らしかったです。セザンヌもけっこうあって、感動的でした。
満足するまで見ていたら、3日くらいは必要です。
シャガールやレンブラントも好きなのですが、このへんは数点しかありませんでした。
アンリ・ルソーも1点、ありました。とても神秘的でした。

あと、シュールリアリズムのマグリットという画家がすごく好きなのですが、彼の素晴らしい作品がありました。
「バンケット」という題名でした。赤く染まった夕焼けの空の下に、山の稜線と森があるのですが、
なんと!常識的には山の向こうに沈んだはずの夕日が、一番手前に描かれて、すぐ目の前にあるのです。
これまで何百億人もの人間が、夕焼けの絵を書いたであろうけれど、
夕陽を山の手前に置いた人間は彼が最初ではないか!?!? などと考えると、
胸がいっぱいになってしまって、ここでも30分くらい眺めてました。

ダリももちろん天才だと思いますけれど、マグリットはとてもシンプルに、
ただ一つの衝撃を一点に集中して訴えてくるような印象を、僕は持っています。


シアーズ・タワー

美術館を見ていたら夕方になりました。
Sachikoが「シアーズ・タワーに上ろう」というので、歩いて行きました。

シアーズ・タワーというのは、近年まで世界で一番高いビルだったのですが、
いまはマレーシアの首都に建設されたビルに抜かれてしまったという、おっそろしく高いビルです。
110階建てで、アンテナのてっぺんまでの高さは520mだそうです。
103階が「スカイ・デッキ」という展望フロアになっていて、入場料10ドルも取ります。

僕は、アメリカで高いビルに上るというのは、「あの日」の光景が思い出されてちょっと抵抗があったのですが、
Sachikoが「行こう行こう!」と言うので、内心5分くらいならいいか、
とか思いながら、高速エレベーターであっというまに着きました。

エレベーターはあっという間でしたが、それに乗るまでに空港みたいな持ち物検査があったり、
映画を見せられたり、ちょっとした展示室みたいのを通らされたりして、「早く行こうよー」という感じでした(笑)。
ちょうど夕暮れ時で、西の空は夕焼けに染まり、街は夜景になっていました。

エレベーターを降り、目の前にこの広大な300万都市の夜景が開けた瞬間は、はっきり言って感動します。
摩天楼を構成する他のビルの群れさえ、のぞき込むようにしないと見えないくらいずっと下に見えます。


西側を見るとこんな感じです。

北側には摩天楼を見下ろします。

ライブハウス
シカゴは音楽の一大中心地です。まず、世界一のブルースが聴けます。
前衛音楽も盛んです。クラシックもそうです。僕が地球上で一番好きなオーケストラはシカゴ交響楽団です。
サー・ゲオルク・ショルティという指揮者とシカゴ交響楽団による
「ブラームス交響曲1番」と「展覧会の絵」のCDは僕の宝物です。

僕の話はどうでもいいのですが、シカゴへ行ったら、何でもいいから芸術鑑賞をしたいと思っていました。
まず、Sachikoが「ミュージカルを見たい」と行ったので、
「あーそれもいいなあ」なんて思いながら後について劇場まで行きました。
しかし、その日は公演がないと言われてしまいました。それで、ライブハウスへ行くことにしました。

宿の近くに「ハウス・オブ・ブルース」というライブハウスがあったので、
カッコいいジャズでも聴けたらラッキーだなどと期待してゆきました。
それに、アメリカの大都市で夜遊びなんて素敵だなあ、なんて思いました(笑)。

ライブハウスについて中に入ると、観客はみんな若い子ばかりでギュウギュウで、
予想に反して超ハードなロックバンドが演奏していました。大音響で、ボーカルは叫びまくってます。
観客の中には顔中ピアスだらけとか、デーモン閣下みたいな髪型とか、
腕じゅうイレズミとかの若者がいたので、「ウヒヨヲ!日本でもこんなところには来たことがないぞ」と思いました。
ライブのテンションが上がってくると、客席の前の方では人が飛んだり、押しくらマンジュウを始めたりしました。
僕は、そういうのを深夜の音楽番組でしか見たことがなかったので、大変感激しました。
とても楽しかったです。ライブは夜10時ころ終わりました。

こういうときは、絶対に歩いて帰らず、タクシーをひろうべきだとガイドブックに書いてあったので、
タクシーを探しましたが、なかなか来ないので、人通りも多いし、歩いて帰ることにしました。
シカゴの、少なくともこの当りは、夜10時でも普通の人が大勢歩いていて、大丈夫でした。
宿の近くのスーパーマーケットも深夜1時まで営業していて、買い物客もいっぱいいました。
そこでお寿司を買って帰りました。

シカゴは、3泊では足りませんでした。ぜひまた行きたいです。
美術館もまだ全部見ていないし、世界一のブルースやクラシックを生で聴いてみたいです。
カブスのサミー・ソーサのホームランも見てみたいし。

そうそう、自然史博物館には「スー」という名前の世界で一番有名な恐竜の全体骨格がいるのです。
とにかく時間が足りませんでした。

←前のページ | 次のページ→
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
アクマリ旅行記