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ISLAND IN THE SKY
「アイランド・イン・ザ・スカイ」。天空の島という名で呼ばれる山の存在を知ったのは去年のことです。
しし座流星群を見にアメリカ西部へ行こうということになって、いろいろ買ってきたガイドブックの中に紹介されていました。

なんてカッコイイ名前なんだろう、どんな所なんだろう、と、心の中で憧れはどんどん大きくなってゆきました。
人間は、ひとつの言葉にどうしようもなく憧れるということがあると思います。
僕は歌を作るのを生業にしているので、日頃から言葉に対してすごく注意が行ってしまいます。
「熱情」とか「曙光」とか普段の生活で出会ったカッコイイ言葉はずっと心に残っていて、歌のタイトルになったりします。

アイランド・イン・ザ・スカイはユタ州の「キャニオンランズ国立公園」というところにあります。
ここは、コロラド川とグリーン川という2つの大河が合流するところで、それらが作る壮大な谷の地形が見られます。

アイランド・イン・ザ・スカイはその壮大な谷の眺めを見下ろすロケーションにあり、とにかくスゴイ眺めでした。

アイランド・イン・ザ・スカイの正体は、
西部に無数にある「メサ」とか
「テーブルマウンテン」と呼ばれる、
平坦で広大な山頂を持つ山です。

これはアイランド・イン・ザ・スカイの広大な頂上です。
標高は1800mほどです。
地図には「Big Flat」と書いてあります。
この上にいるかぎりは、
三方を深い谷に囲まれた山の上にいることを
忘れてしまいそうになります。

グランドビュー・ポイントの展望台。
平らな山がここで突然終わり、
切り立った断崖で谷底に臨んでいます。

ずっと憧れていた「天空の島」。
ここにいたときは本当に幸せを感じました。
実際に行ってみて分かったのですが、アイランド・イン・ザ・スカイは、
テーブルマウンテンが細い半島のように谷に突き出している格好になっています。
岬が海に突き出しているような感じです。
その尖った先端にグランドビュー・ポイントという展望台があります。
車をとめて2kmほど歩いてゆきます。

その道は断崖の縁に沿って歩くので、景色はムチャクチャいいのです。
途中で何度も立ち止まって写真を撮ってしまいました。

いよいよその先端にたどり着きました。
いちばん先端に大きな岩があって、そこによじ登ると、自分が、天空を進む大きな船のいちばん先頭に立って、
谷を見下ろしているような気がしました。

足元は目も眩むような崖で、その下にはコロラド川とグリーン川が大地を削って作り上げた、一大パノラマが広がっていました。
この眺めはほんとうに素晴らしくて、しばらく岩に座っていろいろ考え事をしました。
この時間は本当に幸せでした。

谷は複雑に入り組んでいて、
いつまでも見飽きることはありません。

グランドビュー・ポイントの正面に、
大きなビュートがありました。
ところで、アイランド・イン・ザ・スカイの西の縁には、たいへんミステリアスな地形がありました。
「アップヒーバル・ドーム(隆起によってできたドーム)」という名前が付いているのですが、
非常に奇妙な地形で、僕はこれまでこんなものを見たことがありませんでした。

クレーターのような深くて丸い穴があって、中心には白い岩石からなるドームがあります。
この穴の周りは同心円状に盛り上がった山並が幾重にも取り囲んでいます。
これらの特徴は、隕石落下でできるクレーターとよく似ています。

隕石の衝突によってできたクレーターは、しばしばその中心にセントラル・ピークという小山ができることが知られていますが、
このアップヒーバル・ドームの構造も、それと酷似していました。

これが、アイランド・イン・ザ・スカイ最大の(?)ミステリー、
「アップヒーバル・ドーム」のクレーターです。
巨大な穴の底に、白いドーム状の山があります。
説明の看板には、この大きな構造がどうしてできたのか、2種類の説があって、
まだはっきりとは解明されていない、とのことでした。

一つの説は、隕石落下の爆発できた穴、つまり隕石孔であるというものです。
第二の説は、もともと地下にそういう地質構造があって、それが地表に現われ侵食されるさい、
差別侵食(柔らかい部分が削られ、硬い部分が残る)の結果このような地形になっているというものです。

僕は、何の根拠もないですけれど、これは侵食でできた地形のような印象を受けました。

アイランド・イン・ザ・スカイの東の一角が
「デッドホース・ポイント州立公園」になっています。

ガイドブックでここを紹介するページには
ここから見るコロラド川の蛇行が必ず載っているのですが、
ちょうど逆光で眩しかったです。

こっち側の眺めも素晴らしかったです。

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