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Southern Sky
このページだけは天文マニアな話になってゴメンナサイ!!

僕は今回、生まれて初めて南半球へ行きました。
小学生のころ、南十字星やマゼラン星雲といった、
日本からは見られない『幻の星』の存在を知ってからそれを実際に見るまでに、20年以上の月日を要しました。

南半球の星座を見る、というのも、今回の旅行でとても楽しみにしていたので、
お目当ての星座が良い条件で見えるように、昇る時刻や月明かりのこともよく考えて日程を決めました。

それに、宿に泊まらずにすごい田舎の道端に車をとめて夜を明かし、一晩じゅう星を見る、ということもやりました。
この体験は、ちょっと夢のようでした。

とにかくいろいろと感激することがありましたが、僕の『感激トップ10』は、こんな感じです。

★1位: 『カノープスの白さ』
          茅ケ崎からは冬の夜に、南の水平線ギリギリに、微かに見えるカノープスという星があります。
          この星は、本当は大犬座のシリウスに次いで全天で2番目に明るい、すごく明るい星なのだと
          どんな星座の本にも書いてあります。
          誰もがその明るさのことを強調するので、僕はこれまで、カノープスがどんな色の星なのか、
          なんてあまり考えたことがありませんでした。
          オーストラリアで、空高く輝くカノープスは、シリウスがもう一つあると錯覚するほど明るく、
          果てしなく澄んだ、真っ白な色をしていました。この、溜め息の出るような完璧な白さが
          僕がもっとも感激したことです。

★2位: 『きょしちょう座の肉眼で見える球状星団』
          マゼラン星雲は大小2つあるのですが、小マゼラン雲のすぐとなりに、NGC104という番号の星団があります。
          無数の星がボール状に集まった球状星団というのは、
          ふつうは大きな望遠鏡でもやっとモヤモヤと見えるくらいなのですが、
          この球状星団は、小マゼラン雲のとなりに、肉眼でボーっと見えました。
          双眼鏡で見ると、何とも言いようの無い素晴らしい眺めで、『ありえない!!』と何度も叫んでしまいました。

★3位: 『南十字星』
          やっぱり南十字星はきれいでした。これは文句のつけようがありません。
          ただ、初対面があんまり劇的ではなくで、デナムのユースホステルで夜明けに外へ出たら、
          もう白々と明け始めている空の中にあって『あ、見ちゃった』という感じでした。
          でも、生まれて初めて南十字星を見たこの日の夜、
          僕は偶然にもサザンクロス(南十字星)という名前の町に泊まることになったという事実には
          勝手に運命を感じてしまいましたので、やっぱり劇的でした!!

★4位: 『朝焼けに消えるアルファ・ケンタウリ』
          南十字星のすぐとなりに、私達の太陽系に最も近い、ケンタウルス座アルファ星という星があります。
          その距離4.4光年と、私達のお隣とも言うべきこの星は地球からは大変明るい黄色い星として見えます。
          この星が、夜明けの光の中で輝くとき、信じられないほどみずみずしい、言葉で表現しようのない、
          神秘的なツヤのある光を放ちます。本当に不思議です。

★5位: 『マゼラン星雲』
          マゼラン星雲との初対面は劇的でした。オーストラリアに到着した日はたくさん運転したので
          倒れるように寝てしまいました。しかし次の日、日が暮れてから車で外出して
          カルバリの南にある海崖の上の展望台まで行きました。
          ヘッドライトを消して外に出て、南を向いたとたん!!!!!!!!!
          いやースゴカッタです。

★6位: 『ダイヤモンド・クロスとその周辺』
          南十字星のそばに『ニセ十字』というソックリな星があると聞いていましたが、
          僕の印象では、この2つはかなり形も大きさも違うなーと思いました。
          それはいいとして、ニセ十字の隣にある「ダイヤモンド・クロス」と呼ばれる「第3の十字星」は
          暗い星ばかりなのにとても形が整っていて魅力的でした。
          ダイヤモンド・クロスの星の一つは、『南天のプレアデス』と呼ばれる星団の星で、
          双眼鏡で見たら、ここに本当にプレアデス星団(すばる)のような星の群れが見えて感激しました。
          南十字星、ニセ十字、ダイヤモンドクロスの周辺は、一言でいうと『すばるがいっぱいある』という感じで、
          天の川の中に、散開星団がいくつもいくつも肉眼で見えます。いくら見てても飽きないです。

★7位: 『ふたご座流星群』
          毎年12月中旬にたくさんの流れ星が見られる双子座流星群は、
          あたりまえですが、南十字星やマゼラン星雲などにも流れ星を降らせます。
          頭では、そういうことは当然あるだろうと理解できるのですが、
          自分が幼い頃から毎年見てきた、いわば僕にとっての日常である双子座流星群と
          生まれて初めて目にしている、非日常の世界である南天星座の融合した光景は
          僕を心地よい混乱へと誘いました。
          北天からの流れ星が、天の南極を横切ったとき、僕の中で、
          一つの認識の境界線が消え去った気がしました(なんか難しいこと言ってる)。

★8位: 『三日月の向きが反対!』
          南半球へ行くと、オリオン座が逆さまになる――。と言いますが、
          上下逆になって感激した星座は、むしろ他にたくさんありました。
          (オリオン座は砂時計のような形なので、上下逆になっても元の形とすごく似ている)
          たとえば、インド洋に『正しい向き』で沈んでゆこうとする天馬ペガサスの姿なんて
          すごく絵になる壮大な光景だったし、
          僕にとって逆さまになって最も衝撃的だったのは、ほんとうに意外なことに、『月』でした。
          夕方なのに、明け方の風景になっちゃってるんですよー(この意味を説明するのはとても難しい)。

★9位: 『一度に18個の1等星』
          夜明けの直前に、僕が見た空には、ベテルギウス、リゲル、アルデバラン、ポルックス、プロキオン、シリウス、
          レグルス、スピカ、アークツルス、カノープス、アケルナル、ケンタウルス座アルファ、ケンタウルス座ベータ、
          南十字座アルファ、南十字座ベータ、土星、木星、金星という18個の1等星が輝いていました。
          地平線ギリギリの星もあって、ちょとこじつけな感じですが、
          とにかく僕は一度に全部見ました。(火星もいたけど、火星はこのとき2等星でした。ザンネン。)
          オリオン座からシリウス&カノープスを経て南十字星&ケンタウルスまでの流れは
          明るい星がバラバラと散りばめられておりまして、まさに壮観でした。

★10位: 『ハエ座』
          北半球の僕たちが、昇ることの無い南十字星が地平線の下のどこにあるのか、と論ずるとき、
          「カラス座のずっと下のほう」と言いますし、星座の本にもそう書いてあります。
          確かに、春に日本の南の空に出るカラス座の台形のずっと南、地平線よりも下の南に南十字星があります。
          ところが、南十字星の、さらにすぐ南には、またカラス座があって面白いなーと思いました。
          じつはこれ、カラス座とそっくりの台形なのですが、ハエ座という星座でした。
          僕はこのハエ座がとても気に入ってしまったので、『ハエ座友の会』という会を作りました。

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