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パイネ国立公園 TORRES DEL PAINE

これは、パイネ国立公園にある、トーレス・デル・パイネ(パイネの塔)と呼ばれる岩峰です。
3つの岩峰の標高は左から2850m、2800m、2600m。
この写真を撮った場所の標高が1000mほどなので、あの垂直な岩壁の比高は千メートルくらいあることになります。

フォークの先のように鋭く尖ったこの3本の岩峰こそ、僕が5ヶ月間の旅でいちばん見たかった
ものでした。実際に見ることができて、こうして写真も撮れて、人生の夢がまた一つ叶いました。

パイネの塔を見るためには、片道4時間の険しい登山をしなければなりません。
しかしここに着いて、この光景を見た瞬間に、疲れなどぜんぶ吹き飛びました!
ナイフのように尖った岩峰が、吹き付ける雲の塊を次々と千切っては、投げているようでした。
 

プエルト・ナタレスという町から
日帰りツアーに参加してパイネにやって来ました。

さっそくグアナコの群れがお出迎えです。
ラクダの仲間だそうです。

これは、
『パイネの角(クエルノ・デル・パイネ)』と呼ばれる山。
氷河の浸食によってスゴイ形に削られています。

パイネに来た日は猛烈な風でした!

これはグレイ湖に佇むサチコネエサン。
体を風上に傾けていないと飛ばされます。
湖なのに海のように波が立ち、
氷山まで吹き寄せられています。

僕たちは、国立公園の中にあるホテルを3泊予約していました。
ですので、日帰りツアーでいろいろ見たあと、出発した町には帰らず、僕たちだけホテルの近くに降ろしてもらいました。
 

これが、
僕たちがパイネで3泊したホテル
『ホステリア・ラス・トーレス』です。

アルミランテ・ニエト山(2640m)の麓にあり、
景色は最高です。

パイネ国立公園はとてつもなく広大で、30km四方くらいあります。
その中にホテルはたった5件。どれも高級なリゾートホテルで、宿泊料金は目玉が飛び出るくらい高額です。

パイネ国立公園は一日で見られるような場所ではありません。
少なくとも何日か滞在して、登山やトレッキングを楽しむというスタイルが理想的なのです。
『パイネの塔』を見るには、ここに最低2泊以上しなければ不可能です。そして、宿泊は3通りしかありません。
高額なリゾートホテルに泊まるか、避難小屋に泊まるか、あとはキャンプです。

僕たちは本当に軟弱トラベラーです。シュラフも持っていないし、キャンプの道具も持っていません。
季節はもう秋。気候が厳しいことも知っています。
夜は寒いだろうなあ、なんて考えていたら、高級ホテルに泊まるしかないなあということになりました(笑)。

僕はサチコネエサンに、
『僕はどうしてもパイネの塔が見たい。国立公園内のホテルに3泊させて』と頼み込みました。
なんて書くと1泊何十万円もするのかと思われてしまいそうですが、日本人の普通の金銭感覚からすると、
『なんだ、けっこう普通じゃん。日本の普通のシティホテルでもそのくらいじゃないの』といわれてしまうような金額です。
でもバックパッカーにとっては、1泊1万円以上というのは恐れ多い神の領域なのです(笑)!
もったいなくて涙が出てきます。
 

次の朝、晴れました!

いよいよ『パイネの塔』へ出発!
片道4時間、往復8時間の登山です。
歩くのが大嫌いなサチコネエサンが
途中で棄権しないか心配です。

周りの景色はひたすら美しいです!

最後のほうは岩だらけの急斜面を一気に登ります。

これを登りきれば
パイネの塔が目の前に見えるはずです。

下りてくる登山者が、すれちがいざまに、『がんばれ! もう少しだよ!』と声をかけてくれます。

僕は天気のことが気がかりだったので、
『上の天気はどう? パイネの塔はちゃんと見えるかなあ?!?!』と尋ねました。
すると彼らは言いました。
『天気は最高さ! パイネの塔もちゃんと見えるよ! それに、緑色の湖もある。』
『緑色の湖だって?!?!』
『そうだ、とにかく素晴らしい眺めだ。もうすぐそこだ。楽しんできな!!』

ついに僕らは、トーレス・デル・パイネを見ました!!!
ほんとうに緑色の湖もありました。

この写真は広角レンズで撮ってますので
遠くにあるように思えてしまいますが、
実際には岩峰が圧倒的な迫力と威圧感で
目の前にそびえたっています。

ここでお昼ご飯を食べました。
ここにいた約30分間は、
僕の人生の中で最も価値ある時間の一つです。

念願だったパイネの塔を見ることができたので、次の日は別のトレッキング・コースを歩きました。

今度は、ノルデンスホール湖のほとりを歩くコースです。もうそんなにムキになることは無いので、
『2時間歩いたところでお昼を食べて、同じ道を帰ってこよう』と決めて出発しました。
 

こちらのコースも本当に景色がきれいでした。

パタゴニアの草原の道。

ノルデンスホール湖を見下ろす丘で
サンドイッチを作って食べました〜。

ところで、このパイネ国立公園で見た星空もほんとうに素晴らしかったです。
ここの緯度は南緯51度。ここまで南に来ると、なんと南十字星が天頂に昇るのです。

ここでもがんばって星の写真を撮ってみました。15秒露出だとこの程度しか写りません〜。

写っているサソリ座や射手座は日本からも見える星座ですが、地平線の上に昇ってきた時の向きが、
日本では有り得ない向きになっています。サソリ座は逆さまになって、お腹から昇ってきています。
こうした星空の見え方の変化も、世界旅行の大きな魅力です。

最初、僕は一人だけでホテルを出て、草原に寝ころがって星空を眺めていました。
でもあまりにも凄い満天の星空だったので、
ホテルに帰ってサチコネエサンに『この星空は君もぜったいに見るべきだと思う。』と言いました。

星見から帰ってきてすぐ暖まれるようにバスタブに熱いお湯を張って、二人で草原に出ました。
何時間もずっと寝ころがって、ひたすら星を眺めました。
天の川が空を横切っています。日本からは南の地平線ギリギリにしか見えないカノープスが、
天頂よりも北の空で、真っ白な光で強烈に輝いています。

草原に仰向けになっていると、ときどき顔に細かな水滴が落ちてきます。
それは、アンデスの岩峰に積もった雪が風に舞い上げられ、風下の草原に落ちてきたものでした。
これも不思議な体験でした。

真夜中になると、南十字星が天頂に昇って輝くようになります。ケンタウルス座の明るい星々がその周りを飾ります。
それはもう、星空を見上げるというよりも、宇宙の海に包まれているという感覚でした。
『世界の南の果てで見た星空』も一生の思い出です。

帰国してから、知り合いである月刊『天文ガイド』という天文雑誌の編集長サンに勧められてこの体験を記事にしました。
2007年の12月号です。5ページの特集記事です。
よろしかったらバックナンバーを買って読んでくださいね!(コマーシャル)
 

パタゴニアは天気が目まぐるしく変わるので、
虹が頻繁に見られます。
晴れと雨が何度も繰り返すような日には、
常にどこかに虹が出ているような印象です。

帰ってから『パタゴニア』という曲を作りました
(アクアマリンの次のCDに収録予定ですー)。

  ♪太陽と雨の 果てない踊りが
    草原にいくつもの 虹を架けている

という出だしの歌詞は、
パイネの草原を歩いているときに浮かびました。

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