TOP > JOURNEY > アクマリ旅行記 > 新婚旅行記 第2部 > ナビマグに乗ったよ
ナビマグに乗ったよ NAVIMAG

いよいよ思い出深いパタゴニアを去る日が来ました。
パタゴニアへはプエルト・モンからバスに30時間乗って来ましたが、帰りは3泊4日の船旅です。
この船にはすごく乗りたくて、やっとの思いでキップを買えたので、とても楽しみにしていました。

ナビマグというのはこの航路に定期船を運航している『会社名』で、船の名前はプエルト・エデン号というそうです。
でも旅行者はみんな、この船のことをナビマグと呼んでいました。
 

船が出港するプエルト・ナタレスの町。

中南米には『プエルトなんとか』という地名が
とても多いのですが、
『プエルト』とはスペイン語で『港』という意味です。

プエルト・ナタレスにあるこのレストランには、
滞在中に何度も通いました。
トマトクリームのスパゲティが
すんごく美味しかったです。

ナビマグに乗船する日がやってきました。
乗船したのは夜です。

これが僕たちのキャビン。いちばん安い4人部屋です。
同じ部屋になったのはオーストラリア人の老夫婦、
ロジャーさんとディーさんです。
二人とも60代後半くらいですが、
個人旅行で世界を巡っているのです。

本当に良い人たちで、
4日間とても楽しく過ごすことができました。

迷路のようなフィヨルドを船は進みます。

食事は料金に含まれていて、朝昼晩と出ます。
ほんとうに美味しかったです!!

なぜかコックさんと仲良くなり、
調理場に入れてもらったり、
天井から吊るしてある1頭分の豚肉と一緒に
記念撮影をさせられたりしました(笑)。

コックさんは仕事で日本に行ったことがあるそうで、
誰に教えられたんだか
変な日本語ばっかり連呼してました(笑)。

4日間の航海では、
氷河を見物したり港町に観光停泊したりします。

これはスクーア氷河。

写真からも分かるように、
航海の前半はずっと天気が悪く、
観光停泊は中止になってしまいました。

『太平洋は波が荒いのでフィヨルドに
しばらく避難します』とアナウンスがあり、
静かな湾の中で半日ほど停泊しました。

この時の光景が凄かったです。
大雨が降り続いていたので、
高い崖の上から無数の滝が落ちているのです。

この写真にも10以上の滝が写っていますが、
これが360度、船を囲んでいるのです。
僕はこんな荘厳な風景をみたことがありませんでした。

船に乗っているのは世界中からやってきた旅人です。若い年代が多いので、夜には食堂で飲み会のような感じになります。
これは毎晩ほんとに楽しかったです。



日本人のケンヤ君という人がいました。
彼は、パラグライダーの事故で体の半分が動かなくなってしまったのですが、そんな体で杖をつきながら、
世界一周の旅を続けているのです。
『最初は1年で帰るつもりだったけど、まだ半分も行ってないのに11ヶ月目だ。だいぶ長引きそうだ』などと言っていました。

ケンヤ君はギターを持っていました。左手の指は全く動かないのでギターをひっくり返して持ち、
右手でコードを押さえます。左手は上下にストロークするだけです。

彼は、その旅で出会った人々に感銘を与え、尊敬を集めていました。船の中でも人気者です。
みんな彼の姿から、多くの大切なことを学ぶのだと思います。
体が半分動かなくても、一人旅で杖をつきながら世界一周旅行もできるし、
ギターを弾いて世界中の人たちと一緒に歌うこともできるのです。
彼と出会った人はみんな、自分もいっそういろんなことに挑戦して、世界を広げてゆこうという気持ちになると思います。
僕もその一人です!

夕食後の食堂には若い旅行者があつまって、ビールやワインを飲みながら話に花を咲かせます。
ケンヤ君のギターを順番にまわして、それぞれの、自分の国で流行っている歌をうたったりするのです。

ビートルズのような、誰でも知っているような歌は大合唱になります。
みんな酔っ払っているので、歌詞やメロディーを知らなくてもに勝手に割り込んで合いの手を入れたり、ハモったりします。
本当に楽しかったです。

僕もギターを弾いて歌いました。ケンヤ君と一緒に日本の歌も歌ったし、一曲だけちゃんと歌えるスペイン語の歌、
ジプシーキングスの『マイウェイ』も弾き語りで歌いました。
フランス人の旅行者が、『お!その歌、知ってるぞ』といって盛り上げてくれました。良い思い出です。
 

航海の最後の日。
青空が広がってきました!!

アンデス山脈の山々が次第に美しい姿を現します。

海から見るアンデス山脈もほんとうに美しく、
印象的でした。
ナビマグに乗れて本当にヨカッタです!

青空と眩しい太陽の下、
すっかり穏やかになった太平洋を進みます。

甲板でベンチに座り、海風に吹かれながら
ノンビリ景色を眺めていました。

そうそう、クジラも遠くに見えました。

4日目の夕方、ついにプエルト・モンに到着です。

プエルト・モンの郊外にそびえるオソルノ火山(2652m)。

夕焼けに染まったオソルノ山が、
『お帰り!パタゴニアを楽しんで来たかい?』
と言っているような気がしました。

パタゴニアを満喫し、
2週間ぶりにプエルト・モンに帰ってきました。

同じ町なのに、違って見えます。

それは、この2週間のあいだに
たくさんの夢が叶ったからだと思います。

←前のページ | 次のページ→
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
新婚旅行記 第2部