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エルジェム EL DJEM

これは、チュニジア中部の町エルジェムにある、ローマ帝国の円形闘技場の遺跡です。
世界で3番目に大きく、保存状態は本家イタリアのコロッセオよりも良いと言われます。
ここを訪れることも、とても楽しみにしていました。

ローマ帝国はいまから2000年くらい昔に、強大な軍事力でどんどん領土を広げていきました。
歴史的に見ると、戦争に勝つことよりも、征服した土地を長いあいだ統治してゆくことのほうが遥かに難しいことです。
一時的に広大な領土を征服しても、
民衆の反乱であっというまに国が崩壊してしまったという例は世界史の中でたくさんあります。

ローマはそのあたりのマネージメントがとても巧妙でした。
自分たちが征服した土地に、本国ローマとまったく同じような立派な施設を建設して、
快適で文化的なライフスタイルを提供し、自治を認め、支配というよりは自分たちの『仲間に入れる』ような方法を選びました。

エルジェムの円形闘技場はまさにその『ローマによる支配』のシンボルのような存在です。
長期にわたって世界帝国を維持することができた理由を、教えてくれているような気がします。
 

マトマタからエルジェムに向う道沿いには
広大なオリーブ畑が広がっていました。

ついにエルジェムの円形闘技場に着きました!
とても巨大です。

アフリカのこんな奥地に
ローマと同じ物があるということの意味!
スゴイナーと思いました。

夕陽を浴びて輝く姿はとても荘厳です。

円形闘技場のアリーナの部分に降りることができます。

ここでは剣闘士の戦いなどが行なわれ、
民衆はとても熱狂したそうです。

サチコネエサンはイタリアに行ったことがあるので、『ローマの円形闘技場はもっと大きいよ』と言っていました。
僕もいつかイタリアに行って、本家のコロッセオを見たいです。

それでも僕は、個人的には、ローマを見る前にチュニジアに来られてとても良かったと思います。
それはこういうことです。

ローマ帝国は広大な領土を持っていました。
現在のイギリスやフランスやスペインなどの西欧諸国、ルーマニアやギリシャなどの東欧、
トルコやシリアなどのアジア、エジプトからモロッコまでの北アフリカなどは、みんなローマ帝国の領土だったのです。

当時の地方の国民のほとんどは、生涯の間に首都ローマに行く機会など一度も無かったはずです。
もしかしたら皇帝の名前も知らず、自分たちが誰に統治されているのかということにさえ、
あまり興味がなかったかもしれません。

だから、例えばこのエルジェムに暮らしていた人が、何かのチャンスがあって当時のローマに行ったとしたら、
『大都会』の煌びやかさに腰を抜かしたんじゃないかなーと思います。
僕がいつかローマへ行ってコロッセオやフォロロマーノの前に立ったら、
そんなふうに、田舎から都会に出てきた古代の『普通の市民』と同じ感覚が味わえるんじゃないかなーと、思います。
 

この日は地中海に面したリゾート地、
スースに泊まりました。

これはスースの中心の広場。旧市街の入口です。
ショッピングセンターがあって、
みんなでお土産をたくさん買いました。

スースのホテルもきれいで良かったです。
これは部屋からの眺め。

この頃にはもう他のツアー参加者とも
すっかり打ちとけていたので、
晩ご飯のあとにみんなで街のカフェに行きました。

ビーチ沿いの通りを歩いたら
夜風がとても気持ちよかったです。

これがスースで泊まったホテル
『ナハラウェス・ブジャハー』。4つ星ホテルです。

ホテルはビーチに面しているので、
朝ご飯の前に
地中海から昇る太陽を見ることができました。

サハラ砂漠では曇って日の出が見られなかったので、
みんな喜んで写真を撮っていました。

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