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豊肥本線
(熊本県・大分県/2000年5月7日放送)
九州中部を横断する路線で、熊本〜大分を結びます。
この路線の目玉はなんといっても阿蘇山です。阿蘇は「カルデラ火山」です。
カルデラとは火山活動によってできた巨大な凹地のことです。

火山が大量の火砕流を噴出したあと、地下が空洞になってしまうので地面が陥没し、巨大な穴ができます。
阿蘇のカルデラは広さが25km×17km、穴の深さが約800mというトンデモナイ大きさです。

実はこの「穴」の中に町があり大勢の人が住み、道路や鉄道が走っているのが阿蘇なのです。
立野駅と波野駅の間には駅が6個もありますが、これらの駅はみんなカルデラの「底」にあるわけです。

車窓からの景色は雄大で、広い水田地帯を行きます。
北側には外輪山の屏風のような山並がつらなり、南には多くの火口を有する火山群がそびえています。
もっとも活動的なのは「中岳」という山で、いまも煙を静かに吐いています。

「草千里」という草原が有名ですが、
これも実は古い火口が浸食のために埋って平らになり、のちに草原となったものです。

たくさんあるピーク(山)のうち、最高峰は1592mの高岳です。
この1592mという標高を、熊本県の古い呼び名である「肥後(ひご)の国」と語呂合わせで覚えるそうです。
高岳までの登山道の景色や頂上からの眺めは、
まるで月面のクレーターを思わせる荒涼としたダイナミックなものです。

沿線でもう一つの人気スポットは、大分県の竹田という町です。
特急列車もとまります。山深い静かな城下町です。
「岡城」跡の公園には駅から歩いても行けます。
ここは滝廉太郎という作曲家が「荒城の月」を作った場所として有名です。
竹田のまち全体に漂う落ち着いた雰囲気は、とてもいいです。

(写真/阿蘇高岳からの眺め)

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