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さそり座は青い龍
房(ぼう)、心(しん)、尾(び)
さそり座は、星占いの星座にも出てきますし、夏の代表的な星座としても、たいへん有名です。

形がとても分かりやすいし、明るい星が多いので、他の星座に比べたら、
見つけるのはカンタンです。夏の夜に、南の空低いところに見えるのです。

この星座の中でも、サソリの心臓のところにある「アンタレス」という星は、
ひときわ明るく、また、色がとても赤いのですぐに見つかるでしょう。

中国の星座では、いくつかの星座に分かれてしまいます。
まず、「房(ぼう)」というのは、「部屋」という意味です。
誰の部屋なのか分かりませんが、おもしろいことに、この星座の周りには、
「とびら」の星座や「かぎ」の星座、さらにカギをさしこむ「かぎあな」の星座があります。
これらはたいへん細かい星座なので、ここには描き込めませんでした。

つぎに「心(しん)」というのは、心臓、つまりハートの星座です。
西洋のサソリ座でも、赤いアンタレスは心臓のところに輝いていますので、これはとてもおもしろい偶然です。

しかし、中国で「心(しん)」というのは、サソリの心臓ではなくて、「青龍(せいりゅう)」という動物の心臓という意味なのです。
青龍というのは、青いドラゴンのことです。

中日ドラゴンズのユニフォームも青いですけれど、それはあんまり関係がないと思います。

このページの、オリオン座のところでも書きましたが、中国にはそれぞれの方角に、守り神がいると信じられています。
北には「玄武(げんぶ=黒いカメ)」、南には「朱雀(すざく=赤い鳥)」、西には「青龍」、東には「白虎」です。

そして、「心」のとなりにある「尾(び)」という星座も、この龍のシッポを表しているのです。
中国では、ひとつひとつの星座とは別に、いくつかの星座が集まって、この守り神の動物を表す、というものがあるのです。

西洋でいう「さそり座」、その隣の「てんびん座」、さらに隣の「おとめ座」のあたりは、
中国では7つの星座が合体して、巨大な「青龍」の姿がうかびあがるようになっているのです。

おとめ座のスピカ、うしかい座のアークツルスという、2つの明るい星が、この龍の2本のツノにあたっているのです。

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