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コップ座は鳥の翼
翼(よく)
コップの星座があるなんて、ご存じない人も多いと思います。
春の夜空にある、小さな星座で、暗い星ばっかりなので、なかなか見つけるのが大変です。

しかし、下の図のように星を結ぶと、どうです、ちゃんとコップに見えるでしょう。
コップといっても、キッチンにおいてあるような安っぽいものではなくて、運動会の、優勝カップのような立派なものです。

ぼくは、れいによって絵を描いてみましたが、博物館にある「弥生式土器」みたいになってしまいました。
中国では、このコップの星と、周りにあるすごく暗い星たちを結んで、「翼(よく)」という星座になっています。

あなたは、上の図と下の図を見くらべて見て、どう思いますか。
僕は、さいしょにこの星座を見たときに、「ウソだあ!こんなところに星なんかないぞ!
なんという、強引な結び方なんだろうかね。」と、叫んでしまいました。

じつは、中国の星座が、あんまり親しまれていない理由の一つが、
こんなふうに、人間の目に見えないような暗い暗い星を結んでしまっていることだと思います。
何事も、強引なのは、良い印象を受けないのです。
ところで、「翼(よく)」というのは、「鳥のつばさ」という意味です。
どんな鳥のつばさかというと、「朱雀(すざく)」という赤い鳥です。
中国では、守り神として、とても大切にされてきました。

といっても、これは伝説の鳥ですので、実際にはいません。
もしもあなたがこの鳥を見つけて、いけどりにしたら、執筆活動や、講演活動、一生食べてゆけます。テレビの取材も来ます。

ぼくはまた頑張って、この鳥の絵を描いてみました。
見たことがないので、一生懸命、想像して描きました。
でもやっぱり、マンガみたいになってしまいました。

ぼくは昔、大人になったらフジコフジオになろうと思ったので、学校の授業中にも、ドラえもんの絵を描いていました。
そのせいか、ぼくの友だちはみんな、ぼくが「のび太」に似ているといいます。
ついでに「ばいきんマン」にも似ているといいます。

この星たちを結んだだけでも、なんか鳥のように見えますが、
じつは、この「翼」という星座は、大きな大きな鳥の姿の、一部にすぎないのです。

「さそり座」のところでもお話しましたが、中国では7つほどの星座が集まって、守り神の動物の姿を作るものがあるのです。

西洋で「コップ座」、「からす座」、「うみへび座」、「かに座」といったあたりの星たちが、
中国では大きな鳥の姿に、あたっているのです。
これらの星は、春になると、よく見えます。

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