何かを自分で作ってみたい、何かを表現してみたいという気持ちは、きっと多くの人が持っています。
表現のやり方にはいろいろありますが、ここでは、「自分の歌を作る」ということに挑戦してみましょう。
「表現」というと、たいへんむずかしくて高級なことのように聞こえてしまいますが、
たとえば、あなたが北海道の富良野かオーストラリアの大平原に旅行をして、
その景色に感激したとします。
さて帰ってきて友達に、その風景のすばらしさ、自分の感動を伝えたいと思うんですが、
どうしたらいいでしょう、とこういうことなんです。
ひとつには、「言葉で説明する」ということが考えられます。
それから、「絵を描いて見せる」というのもできますし、
「撮ってきた写真を見せる」でもいいですね。
「音楽をつくって聴かせる」というのも、そういったことの一つであるとこういうわけです。
絵を描いたり、写真を撮ったり、文章を作ったりすることは、
うまい下手を別にすれば、誰にでもできます。
歌を作ることも、うまい下手を別にすれば、とりあえず誰にでもできると思います。
ところがよくこんな声を耳にします。
『私は楽譜が読めないし、楽器も弾けないし、
語彙も少ないので歌を作るなんて、ああ、できるはずがないわ。』とこうです。
私の友人に、O崎K明という人がいますが、彼は楽譜も読めず、
楽器も弾けないのに作詞作曲をし、テープレコーダーに声を吹き込んでためているわけです。
そういう人はいっぱいいます。
私も16才で作曲をはじめたときは、楽譜も読めず、楽器も弾けなかったです。
技術なんてものは必要に迫られれば自然と覚えてゆくものです。
それに、自分の作った歌を他人に歌ってもらったり、
演奏してもらったりする場合は楽譜をかかなきゃなりませんが、
そうでなければ楽譜をかく必要なんてありません。覚えていればいいんです。
楽譜やピアノやギターができるずっと前から、
人間は歌っていたわけですから、楽譜や演奏技術が音楽の本質であるはずがありません。
まあそういった堅い話はぬきにして、むずかしく考えずにやってみましょう。
よろしくおつきあいください。 |