TOP > JOURNEY > アクマリ旅行記 > チュニジア旅行記 > ケロアン
ケロアン KAIROUAN

これは、首都チュニスから南に100km、ケロアンにあるグランド・モスクの回廊です。
このような幾何学的な美は、イスラム建築の大きな特徴です。

チュニジア旅行の初日は、カルタゴ遺跡などを見てからこのケロアンまできて泊まりました。
2日目はケロアンを見たあと、オアシスの町トズールまで参ります。

ケロアン(カイロアン)は、7世紀に北アフリカで最初のイスラム寺院が作られたことから、
イスラム教の聖地となっているそうです。
歴代のアラブ王朝の都として栄華を誇りましたが、今はのどかな地方都市という感じの所です。
 

まず最初に、9世紀に作られた貯水池を見学しました。復元されて現在も使われているそうです。

これが、7世紀に建設された北アフリカで最古の
イスラム寺院『グランド・モスク』のミナレット(塔)です。

長方形の城壁に囲まれていて、
内側は広場になっています。

モスクの内側の広場には
大理石が敷きつめられていて、
中央に向ってゆるやかに傾斜しています。

広場に降った雨がこの排水口に集まって
地下の貯水池に落ちるのだそうです!

排水口の真ん中の穴にたどり着くまでに、
雨水はたくさんのコップのような部分を
段々に流れ下っていきます。

コップのような部分に雨水が一時的に留まるときに
不純物が沈殿して、
きれいな水だけが貯水池に落ちてゆく仕組みです。

早朝のグランド・モスクは人も少なくて
冷たく湿った空気に包まれていました。

モスクの広場には日時計があります。

ヨーロッパが『暗黒時代』と呼ばれた中世、
イスラム世界では数学や天文学が高度に
発達していたというのは本当なんだなあと思いました。

グランド・モスクの次は、同じくケロアン市内にある『シディ・サハブ霊廟』を見学しました。
イスラム教の聖者の霊廟で、ガイドブックによると北アフリカで最も美しい霊廟と言われるそうです。
 

シディ・サハブ霊廟の回廊。

僕が生まれて初めてイスラム建築を見たのは
スペインのアルハンブラ宮殿や
アランフェス王宮だったのですが、
壁面の幾何学模様のあまりの美しさに、
『これは宇宙だ!コスモスだ!』と思いました。

細部を見ても、大局的に見ても、
それぞれのパターンが見えてきて
いろんな模様が浮かび上がってくるのです。
それはまさに宇宙の構造と同じです。

イスラム教では、神様や預言者の姿を絵に描いたり
彫刻を作ったりすることが禁じられています。

そのため、寺院や霊廟は、
幾何学模様や植物などのモチーフ、
聖典(コーラン)の文字などで緻密に彩られてゆきます。

僕はほんとうに、こういうのに無窮の宇宙を感じます。
美と哲学を感じます。

ケロアンの旧市街は、
地元の人たちや観光客で賑わっていました。

旧市街のお店。
この写真はサチコネエサンが撮りました。

←前のページ | 次のページ→
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
チュニジア旅行記