しし座流星群 LEONIDS |
|
このページだけは天文マニアな文章になってしまってゴメンナサイ! 天文とか星とかに興味が無いという方は、飛ばして次のページをご覧下さいね!!
僕たちがチュニジアに出発した2009年11月17日の晩(18日の未明)は、『しし座流星群』の極大日にあたっていました。
流星群というのは毎年同じ日付に流れ星が多く見られる現象ですから、しし座流星群も毎年見られます。
しかしこの年は特別で、『1時間あたり500個』という突発的な大出現の予報が出ていたのです。
(しし座流星群は普段の年は1時間あたり2〜3個くらいしか現れないのですが、
33年周期で『流星雨』という現象が起こることで知られています。
2001年には日本でも1時間あたり数千個という流星雨が見られました。
普段は地味だけれど、たまに大当りがでる流星群なのです。)
今回2009年のピークは、日本では18日の『朝7時』と予報が出ていました。朝7時ではもう夜が明けてしまった後です。
そのため日本では条件が悪く、その時刻に未明の時間帯を迎える中国西部やインドなどがベストエリアだという予報でした。
僕たちはこの夜、関西国際空港を夜11時半に出発して、翌朝にカタールのドーハに着く飛行機に乗ることになりました。
夜を追いかけながら西へ飛ぶので、日本が朝を迎えても飛行機はまだ夜の中。
しかもピークの時間帯に、中国西部やインドあたりの上空にいることになります。
僕は、こんな偶然と幸運は滅多にないと思い、添乗員さんに『あのう…窓側の席にして頂けないでしょうか…』と言いました。
|
|
これが僕たちが乗ったカタール航空821便の機内です。
すべての座席にモニター画面があって、
乗客はそれぞれ好きな映画や
ゲームを楽しむことができます。 |
|
画面には飛行機の現在位置を出すこともできます。
僕はこの画面で、
自分がいまどこにいるのかを時々チェックしながら
流星の記録をとりました。 |
|
北京の夜景です。
ほんとうに流星はたくさん現れるのか。
僕は、これから見る流星を
すべて記録に残そうと決めました。 |
ここに、2009年11月18日の未明に僕が見た流れ星の観察記録を載せます。
流星観測で記録するのは、流れ星が現れた時刻(本当は秒まで)、流れ星が現れた場所(星座名)、
明るさ(等級)、しし座流星群の流星なのかそれとも無関係な流星なのかという区別(○か×で)、
流れ星の特徴などを書いてゆきます。
ふつう、流星観測は大勢で見る方向を分担しながら行なうのですが、今回は僕一人しかいません。
ということで、ほとんど意味や価値のない観察記録ですが、
この飛行機から見た流星群の様子を残すことができるのは世界で僕一人です(笑)。
ですので、この夜見た122個の流星の記録を載せます。
↓ここから下は、普通の人にとっては意味がよく分からないと思いますので、ザザッと飛ばして次のページに進んでくださいね!
*2009年11月18日の未明に見た流星
番号 時刻 明るさ しし群 星座 特徴など
===================================
001 02:35 0 × エリダヌス 観察開始。場所は北京上空
002 02:37 1 × オリオン
003 02:40 0 × はと
004 02:43 0 × くじら 痕あり
005 02:46 -2 ○ しし 痕あり
006 02:51 1 ○ オリオン 痕あり
007 02:54 1 × くじら頭 短経路
008 02:58 3 × うさぎ
009 02:58 3 ○ くじら
(03:00現在、場所は大同と呼和浩特の間あたり。観測者サチコに交代)
010 03:02 ? ? オリオン? サチコが観察
011 03:05 ? ? ? サチコが観察。一度に3個くらい見た。
012 03:06 ? ×? おおいぬ? サチコが観察。とてもゆっくり。
013 03:09 ? ○? ? サチコが観察
014 03:10 ? ○? 地平線近く サチコが観察
015 03:11 ? ○? 地平線近く サチコが観察。火球。痕あり
(03:15現在、場所はちょうど包頭上空。観測者ミマスに交代)
016 03:17 2 ○ エリダヌス
017 03:19 3 ○ エリダヌス 下のほう
018 03:25 0 ○ うさぎ 痕あり
019 03:27 3 × エリダヌス
020 03:30 3 ○ エリダヌス 上のほう
021 03:31 0 ○ エリダヌス 下のほう
022 03:37 0 × エリダヌス
(03:41現在、場所は黄河が北から東へ直角に曲がる所)
023 03:45 3 × うさぎ
024 03:46 2 × オリオン 三ツ星に沿ってすごく長くゆっくり。おうし群?
025 03:48 3 ○ エリダヌス
026 03:49 2 ○ エリダヌス すごく低い所
027 04:00 3 ○ はと
028 04:03 2 ○ はと 痕あり
029 04:03 2 ○ はと 前の流星の30秒後くらい。痕あり
030 04:05 2 ○ りゅうこつ
031 04:07 -1 ○ オリオン 痕あり。リゲルの所
032 04:09 1 ○ はと
033 04:09 0 ○ はと 前の流星の1秒後くらい。痕あり
034 04:12 0 × エリダヌス 遅く長い。途中で光度何度も増減。おうし群?
035 04:17 2 ○ おおいぬ 下のほう
036 04:20 2 ○ おおいぬ 下のほう
037 04:22 3 × エリダヌス
038 04:23 1 ○ エリダヌス
039 04:23 3 × うさぎ
040 04:23 3 ○ はと 04:23のこの3つの流星ほぼ同時
041 04:24 0 ○ おおいぬ 下のほう
042 04:25 3 ○ エリダヌス
043 04:27 1 ○ エリダヌス 下のほう
044 04:29 3 ○ エリダヌス 下のほう
045 04:30 3 ○ うさぎ
046 04:32 4 ○ エリダヌス 下のほう
047 04:34 -2 ○ おおいぬ 一番下のほう。途中で爆発
048 04:36 3 ○ エリダヌス
049 04:37 2 ○ エリダヌス 痕あり
(04:40から約50分間休憩。04:45現在、場所は酒泉と玉門の間の上空)
050 05:28 2 ○ はと 観察再開
(05:30現在、場所はタクラマカン砂漠の東端あたり)
051 05:32 2 ○ はと
052 05:33 3 ○ とも
053 05:34 -2 ○ とも 途中で爆発。痕あり
054 05:38 3 ○ とも
055 05:38 3 ○ はと
056 05:39 3 ○ エリダヌス
057 05:42 3 × はと 遅い。おうし群?
058 05:42 3 ○ はと
059 05:42 1 ○ りゅうこつ
060 05:49 4 ○ はと
061 05:50 3 × うさぎ
062 05:51 2 ○ うさぎ
063 05:54 1 ○ エリダヌス いちばん低い所
064 05:55 2 × おおいぬ
065 05:56 2 × エリダヌス
066 05:57 1 ○ エリダヌス 上のほう
067 05:57 3 × エリダヌス 下のほう
068 05:58 2 ○ エリダヌス 一番低い所
069 05:59 4 × うさぎ
070 06:00 4 ○ エリダヌス
071 06:01 0 ○ エリダヌス
072 06:02 3 ○ おおいぬ
073 06:02 2 × オリオン
074 06:04 0 ○ エリダヌス 痕あり
075 06:05 2 ○ おおいぬ→はと
076 06:06 1 ○ うみへび 心臓のあたり。痕あり
077 06:07 3 ○ りゅうこつ
078 06:11 0 ○ りゅうこつ
079 06:11 -1 × りゅうこつ
080 06:12 1 × りゅうこつ
081 06:13 2 ○ はと
082 06:19 4 ○ はと
083 06:20 2 ○ おおいぬ 下のほう
084 06:21 2 ○ エリダヌス
085 06:23 3 ○ はと
086 06:27 2 ○ エリダヌス
087 06:28 3 ○ うさぎ
(06:30現在、場所はタクラマカン砂漠の中央部南縁あたりの上空)
088 06:31 3 ○ とも
089 06:31 4 ○ とも 前の流星の1秒後くらい
090 06:34 0 × とも→ほ 長経路
091 06:36 4 × りゅうこつ
092 06:36 2 ○ とも
093 06:36 1 ○ うさぎ 前の流星の1秒後くらい
094 06:37 0 ○ こいぬ 痕あり
095 06:38 0 ○ エリダヌス 下のほう
096 06:39 1 ○ ほ
097 06:40 3 ○ おおいぬ
098 06:40 3 ○ うさぎ
099 06:40 1 × エリダヌス 06:40分の3つの流星はそれぞれ1秒間隔
100 06:41 3 ○ とも
101 06:42 2 ○ おおいぬ
102 06:43 ? ○ うさぎ 痕しか見えなかった
103 06:44 0 ○ エリダヌス
104 06:45 3 ○ とも
105 06:51 1 ○ おおいぬ
106 06:53 2 ○ うみへび→ほ
107 06:54 2 ○ とも
(この頃カノープスがリゲル並みに明るく見える。ギラギラ瞬いている)
108 06:56 3 ○ りゅうこつ
109 06:59 2 ○ おおいぬ
(07:00現在、場所はタクラマカン砂漠の南西端上空)
110 07:06 -5以上 ○ うさぎ 途中で閃光。痕は5分程度継続。
111 07:08 0 ○ はと
112 07:08 1 ○ りゅうこつ 前の流星の1秒後
113 07:09 2 ○ おおいぬ
114 07:09 2 × はと
115 07:12 3 ○ はと
116 07:14 1 ○ とも
117 07:16 2 ○ エリダヌス
118 07:20 4 × おおいぬ
119 07:24 2 ○ ほ
120 07:24 2 ○ うみへび 尾のほう
121 07:25 3 ○ うみへび 心臓のあたり
122 07:28 4 × おとめ
(07:29現在、黄道光が地平線上のおとめ座θ星からしし座σ星まで伸びている。)
(07:30観察終了。場所は中国からパキスタン北部に入ってすぐの所)
===================================
*時刻は日本時間JSTです。雲量はずっとゼロで、最微等級はずっと6等です。
*07:06の大火球については、途中で爆発したときには目が眩むほどの閃光が見られました。
その流星痕は、当初はうさぎ座のお腹の下あたりに直線状にありましたが、
次第に緩やかな『C』の形に変形して膨らみながら東へ移動し、5分後くらいにおおいぬ座ζ星の辺りで消滅しました。
*流星観察を行なった飛行機の座席の窓の視界については、03:31に『窓の視界には、おおいぬ座η星、
シリウス、ベテルギウス、アルデバラン、ミラ、くじら座ζ星、くじら座τ星を同時に見ることができる。
オリオン座が南中し、デネブカイトスが地平線のすぐ上。』というメモを自分で残しています。 窓の視野は、全天の6分の1程度だったと思います。
僕は正味4時間ほどの観察で、しし座流星群の流星を約90個、散在流星や他群の流星を約30個見ました。
視界が全天のごく一部だったことや、観察と記入を一人で行うことで見逃した流星が多いことを考慮すると、
全天では1時間あたり数百個の流星が現れていたことが推察されます。
大出現は本当にあったのだと僕は思います。
|