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釧網線
(北海道/2000年4月16日放送)
北海道の東部、網走と釧路を結ぶ路線です。
網走〜知床斜里間の40kmは、オホーツク海の浜辺を走ります。
3月頃この列車に乗ると、車窓から流氷が見えることが多いです。
私もこの地をクロスカントリーのスキーで巡り、運良く接岸した流氷を触ることができました。

斜里の街は「日本最後の秘境」と呼ばれる知床半島への玄関口です。
冬の知床は人間を寄せ着けない厳しい土地ですが、夏には多くの人でにぎわいます。
なかでも「カムイワッカの滝」はお湯が流れ落ちる、不思議な温泉の滝です。
水着で滝壷で入浴する人が大勢います。
しかしものすごい酸性なので、傷は痛むし、長湯はいけません。
大理石のペンダントは炭酸カルシウムなので、溶けてガビガビになってしまいました。

釧網線の中間には弟子屈(てしかが)という街があります。
近年、弟子屈駅は摩周駅に名前を変えました。
有名な摩周湖までバスがあります。

摩周湖は霧に覆われていることが多く、「もし摩周湖がきれい見えたら婚期が遅れる」というウワサがあります。
私はこのウワサを信じます。
というのは、私がこれまで見た風景のなかで、摩周湖はもっとも感動しました。
あの水の青さを見ていると、この世界にあふれる美しい風景を巡るためにも、
落ち着いてはいけないような気がしてくるのです。

釧網線のもうひとつの目玉は釧路湿原です。
日本最大の湿原の、東の縁をなぞるように列車は走ります。
車窓からも緑のじゅうたんのような湿原が見えますが、シーズン中は釧路湿原駅という臨時駅に停車し、
すぐ近くに細岡展望台という最高のビューポイントがあります。
「道東」と呼ばれるこの地域は、
普通に観光旅行をしていてもリス・キツネ・鹿などの野性動物に巡り会う可能性がけっこうあります。

(写真/車窓から見る流氷)

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