それは、予約していた列車の切符を、受け取るためでした。
切符の予約は、日本から国際電話をかけてしたのです。
なにしろ全部英語でやりましたので、自分達の希望通りの切符がとれているか、
一刻も早く確かめる必要があったのです。
窓口では手続きがいろいろと大変でしたが、幸い、希望通りに予約ができていました。
そこでお金を払って、切符をもらいました。
(列車の予約は、じつはインターネットで簡単にできます。
僕らがわざわざ電話でやったのは、英語の勉強の成果を試したかったからであります。)
翌日の昼間は美術館でヒマをつぶして、夕方駅へ行きました。いよいよ旅行が始まります。
しかし、列車の出発が遅れました。アムトラックはよく遅れると聞いていました。
ガイドブックには、「1時間くらい平気で遅れます。3時間くらい遅れることも、ザラです」なんて書いてあります。
しかし、以前シベリア鉄道に乗った僕としては、この点に関しては、シベリア鉄道のほうが、上です(笑)。
僕は中国でも、タイでも鉄道に乗りましたが、これについては、日本が異常なのだと、思います。
1分の狂いも無く列車が来るなんて、ものすごい偉業です。
が、しかし、遅れるのは構わないのですが、出発が遅れているのに、
電光掲示板に「ON TIME(定刻通り)」と表示したままにしておくのは、やめてほしいものだ、なんて思いました。
「もう出発しちゃったんじゃないか?!」と、ホントに焦りますって!
ロサンゼルスを出発するとすぐ夜になってしまいました。食堂車で晩ご飯をたべて、寝ました。
夜明けには降りる駅に着いてしまったので、ここまではそれほどの出来事はありませんでした。
しかし、時差ボケがまだ残っていて、僕は夜中の1時頃にもう目がさめてしまい、眠れませんでした。
それで、ずっと外の景色を見ていました。
月がアリゾナの荒野を照らしていました。この眺めは本当に神秘的でした。
アリゾナで一度降りて、1週間レンタカーで砂漠を周り、
グランドキャニオンで流星雨も見て、またフラグスタフから乗りました。
こんどはシカゴまで、長旅です。
早朝に乗って、その日の昼間はアリゾナの砂漠と、ニューメキシコの大草原を走りました。
アルバカーキという大きな町で、1時間も停車しました。
ホームに下りて、駅の外に出ると、乗客相手のお土産やさんが賑わっていました。
Sachikoは買い物が大好きなので、ギリギリまでお店を見ていました。僕はここで5ドルの笛を買いました。
ニューメキシコの、一面の大草原の夕暮れはすごかったです。
両側は地平線までひたすら金色の草の海で、家一軒、道路一本ありません。
ナウシカのエンディングのシーンみたいでした。
次の日はミシシッピ川を渡りました。こんな上流でも、大変な川幅です。
もうこのへんは、シカゴまで延々と平らな大地が続きます。
牧場が続いて、馬や牛がたくさんいます。北海道の風景と似ていると思いました。 |