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フラグスタフという街
フラグスタフという街は、アリゾナ州北部の中心的な町です。
さらに、グランドキャニオンへの入口の町としても知られています。
グランドキャニオンへは、ここから車で1時間半です。

ロサンゼルスとシカゴと結ぶ列車もここに停まりますし、それと並行するハイウエイのインターチェンジもあります。
さらに、「ルート66」という道路も市内を通っています。

「ルート66」はシカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで伸びる道路で、
アメリカの人々にとっては大西部への憧れや開拓の歴史の象徴として「母なる道」との別名を持ちます。

僕達は11月16日の早朝7時前にここに列車で着き、駅のデスクでレンタカーを借りました。

バリンジャー隕石孔

朝の7時にレンタカーをゲットして、最初に向かったのがバリンジャー隕石孔でした。
これは一体何かというと、宇宙からやってきた隕石が地面に落ちてできあがった巨大な穴(クレーター)です。

パンフレットによると、約49500年前に直径30mの隕石が時速7万kmでここの地面に衝突したそうです。
そして現在ここには直径1300m、深さ170mという巨大なクレーターが残されています。

星の図鑑などで「隕石」というページを見ると必ずここの写真が載っているくらい有名なところです。


クレーターは大きすぎて、写真には収まりませんでした。
ここに巨大な隕石が落ちて、大爆発があったのです。

ミマス

ここへはフラグスタフの街から東へ車で1時間弱でつきます。
高速道路を走り始めると、だんだん周囲が砂漠の風景になってきます。

広大な砂漠の中に、突然あらわれる巨大なクレーターはほんとうにすごいです。
ここには、日本からの旅行者が、大勢来ていました。

そして僕の観察では、みんな天文マニアでした。
しし座流星群の観測ツアーの人達とも会いました。

Sachiko

私がここで目のあたりにしたのは、作り物のような赤土の岩がゴロゴロしていること。

まるでディズニーランドのビックサンダー・マウンテンの世界!
ビックサンダ―〜にあった岩たちを、「作り物っぽいなあ。」と思っていた私。

本物を知らなかったんだということに気がつきました。

ショッピングモール
グランドキャニオンの宿のチェックインが午後4時で、
それまでだいぶ時間があったのでショップングモールに行きました。

Sachikoはスニーカーを買いたいと言っていましたが、いいのが見つからなかったようです。
ビデオテープを買っていました。

そこはまるで、僕らがよく行く平塚のモールみたいな雰囲気だったので、
アメリカの人々の日常が見られて興味深いなーなんて思いました。

お腹がすいたので、レストランに入りました。
僕は「ニューオリンズ・スペシャル」とかいうシーフードを頼みましたが、これは本当に美味しかったです。

大きなお皿にピラフがたくさんあって、その上に巨大な白身魚のグリルが乗っています。
エビもいました。ポテトもありました。お魚のソースがすごく美味しかったです。

ローウエル天文台

この北アリゾナの小さな町には、
これぬきでは天文学の歴史を語ることができないというほど重要な天文台があります。
なんと、「冥王星」という惑星を1930年に発見したのであります。これは大変なことです。

冥王星を発見したトンボーさんという人は当時、ここに勤める若き助手でした。
素晴らしいことに、トンボーさんが冥王星を発見した望遠鏡とそのドームが今も現存していて、見学できます。

星好きとしては、こんなものを目の当たりにできるなんて、夢のような気分です。
ローウエル天文台は、郊外というよりは街なかと言っていいくらい、駅の近くにありました。
マーズ・ヒル(火星の丘)と名づけられた丘の上にあります。

そもそもこの天文台は、パーシバル・ローウエル先生という天文学者が、火星を観測するため、
最高の条件を探し求めてフラグスタフの街にたどりつき、建設した天文台なのです。
ローウエル先生が残した火星のスケッチには、「運河」と呼ばれる幾何学模様が描かれています。

彼は、火星人の存在を信じました。
火星には運河が網の目のように建設されており、その交点には都市がある。。。。
現在では、すべて否定されています。
望遠鏡で見ても、探査機が火星へ行っても、彼がスケッチに残したようなもようは、何も見えません。

彼は幻を見たのでしょうか。それは永遠の謎です。
しかし、展示されている肉筆のスケッチと対面したとき、僕自身や、ここを訪れる多くの人々の誰もが心に抱く、
未知への憧れ、情熱がとてもリアルに伝わってきて感涙いたします。

火星人がいようといまいと、それは小さな問題です。
本当に価値あるものは、彼が一人ぼっちで望遠鏡を覗き込み、見たもの、信じたもの、
生涯を捧げて描き続けたもの、変な言い方ですが、僕はそれこそが科学の本質ではないかと思います。

後になって答えを知った人々が、あの人は正しかった、
あの人は間違っていたなどと採点するように評価するのは、とてもつまらない態度だと思います。


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