グランドキャニオンからペイジへの道程は230kmくらいですが、ここの風景はひっじょうに素晴らしかったです。
一言でいうと、見えるのは赤い砂漠と、地平線と、そこへ真っ直ぐに向かう一本の道だけ。
たまに街が現われては、また同じ風景にもどります。
僕は、地平線というものにとても憧れます。それはとても象徴的です。
年甲斐もなく言いますけれど、それは未来の象徴なのです。
地平線はたとえそこまでたどり着いても、何もないところです。そこからまた地平線が見えるだけです。
でもいつも地平線を追って、少しずつでも歩いていれば、新しい世界を見つけることができます。
保守的な人々は、あっちには何も見えないではないか、
あんなところまで行って何になるというのだ、ここにいろ、と、言います。
それは、自分の場所から見渡せる範囲を、世界だと思っている人々です。
一度でも地平線まで歩いていったことのある人は、そこで何かを見つけます。
それは、世界は広いという、単純な実感です。そうして、旅人は孤独になるのです。(何の話だ) |