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アントファガスタ ANTOFAGASTA

ボリビアからチリに入り、アタカマ高地を訪れたあと、僕たちは海辺の町・アントファガスタに降りてきました。
サンペドロ・デ・アタカマからバスで5時間です。

僕たちは久々に海を見ました。太平洋です!
つい数日前まではアンデスの山の上で寒さに凍え、薄い空気や高山病と闘っていたのがウソのようです。
ここは暑いし、空気が濃いです。それに、懐かしい海の香りがします。
 

アントファガスタの町は、
世界で最も乾燥しているといわれる
アタカマ砂漠の一角にあります。

海に面していて、背後は険しい山々が迫っています。
ちょっとだけ神戸に似ています。

海辺に大きなショッピングモールがあり、
シネコンで『ナイトミュージアム』という映画を観ました。

セリフが英語で字幕はスペイン語でしたが、
ハリウッド映画なのでストーリーが分かりやすくて
面白かったです。

ショッピングモールでは日用品を買い、
フードコートでファストフードを食べました。
こんな近代的な?生活は久しぶりです!

海辺の看板には、
津波が来たときの避難路が示されています。

チリは日本と同じように、
巨大地震と津波の被害が多い国です。

近代的なモールは町の南部にありますが、
北部のほうには昔ながらの雰囲気の
港や魚市場があります。

港にはアザラシがたくさんいて、
町の人たちが大勢集まって
楽しそうに眺めていました。

夕暮れのコロン広場でくつろぎました。
カテドラルが夕陽に輝いています。

アントファガスタは、とくに有名な観光地や
名所があるわけではありませんが、
過酷なアンデスの高地から降りてきた僕たちを
優しく迎えて癒してくれました。

この町に2泊したことも、
とても良い思い出になっています。

アントファガスタで泊まった宿。

キレイで安くて気に入りました!
ビールもおいしいです。

チリではシャワーからお湯が出ます!
ペルーやボリビアの安宿では、
シャワーのお湯が冷たかったり(←変な日本語)
することも多かったからなー。

エクアドルやペルーやボリビアを旅してきて、いよいよチリに入ったときに、劇的に雰囲気が変わったのが印象的でした。

これは旅先で知り合った人から聞いた話ですが、
南北アメリカ大陸を自転車で縦断していた旅人が、ベネズエラやコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアを抜けて
このチリに入ったとき、『南米とは、ボリビアで終わりである』という名言?を残したそうです。

僕はこの言葉を聞いて、『そうそう、本当にその通りだよな〜』と思いました。

では、チリとアルゼンチンは『南米』でなくて何なのかというと、『ヨーロッパ』なのです。
もちろんチリもアルゼンチンも南米大陸の中にある国なのですが
ボリビアからチリに入るといかにも雑然として活気に満ち溢れているという感じの『南米』から、
急に洗練されて落ち着いた雰囲気の『ヨーロッパ』になるのです。この変化は劇的でした。

南米の中で、チリはとても治安の良い国だと評判です。
僕はペルーやボリビアの治安の悪さに常に緊張していたので、ここへ来てほんとうにリラックスできました。
これまで23カ国ほど旅しましたが、その中で『この国なら住んでみたいなあ』と思った国の筆頭はオーストラリアと、
このチリ共和国です。安心して楽しく暮らせそうです(あくまでも印象ですけど)。

それに、国民性というか、チリの人々の性格が、日本人ととてもよく似ている気がします。
控え目で素直で温厚で、自分から主張せず、しかし親切心に溢れています。
南米の人々というと、大声でどんどん話し掛けてくる陽気な人たちというイメージがあり、
たいていの国ではそのイメージどおりなのですけれど、チリは違いました。
僕は、地球の裏側にこんなに日本人に似た人々がいることに驚き、感激しました。

といっても、チリ人と日本人が決定的に違う点が一つだけあります。
それは、チリ人のカップルが、町なかでも公共の場所でも、人目を気にせず抱き合ったり、
チューチューやっていることです。これには最初ビックリしました!
恋人同士でも子連れの夫婦でも制服を着た高校生カップルまで、そこらじゅうでチューチューやってます。
サンチアゴのような都会でも、イナカの港町でもそうです。スゴイナーと思いました。
控え目なチリの人々が、なぜそこの部分だけこんなに大胆なんだろうか。
 

さあ、また一路、南を目指します!

次の目的地は、チリの首都サンチアゴ!
ここからバスで1400km、20時間の旅です。

チリの長距離バスは本当にキレイです。
南米の長距離バスの多くはこのように2階建てです。
僕たちは2階の一番前の席によく乗りました。
景色が最高に良いですよ!

アントファガスタを出発すると、
すぐに砂漠が広がりました。

美しい夕日が落ちてゆきます。

サンチアゴに着くのは明日の昼です!

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