ULURU |
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ウルル(エアーズロック)はオーストラリア大陸のシンボルで、地球上でも有数の景勝地です。 レッドセンター(大陸中央部)の大平原に突如としてそびえる岩山は、今回の旅の目的地でした。
ウルルはそれだけでも素晴らしいものですが、ダーウインから5日かけて3000km近い道程を走ってきたので、
ようやくたどり着いた時には、ほんとうに感無量でした。 |
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ウルルへたどり着く最後の200kmは
サチコネエサンがすさまじい豪雨の中を
ずっと運転しました。
ウルルまであと10kmというところで雨が上がり、 いちめんの雨雲が夕陽に染まりました。 これはとてもドラマティックな光景で
しばらく車をとめて道端に立ち尽くして見とれていました。 |
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ウルルに到着した日はもう夜になったので
この偉大な岩山の姿を拝んだのは翌朝の夜明けです。
前日の大雨のせいで
地面にたくさんの水分があったためか、
僕達が初めて見たウルルは麓に低く朝霧の衣をまとい 金色の朝日の光に包まれていました。
これは信じなれないほど神々しい光景でした。 |
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ウルルは予想以上に複雑で繊細な姿をしており、 スゴイナーと思いました。 |
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夕暮れはウルルが最も神秘的になる瞬間です。
『夕陽鑑賞エリア』の駐車場には 日暮れにあわせて非常に大勢の人々が集い、
この至福の時間を
みんなそれぞれの方法で過ごします。
デッキチェアに深々と座りワインやビールで 乾杯する人たち、 車の屋根に三脚をすえて写真を撮る人、 無言のままひたすら眺め続ける人、
とにかく、ここでは誰もが自然への畏怖と敬慕を 新たにするのです。 |
ところで、この岩山に登るのか、登らないのかというのは、たいへん微妙な選択です。
観光客の多くは、エアーズロック登山が目的でここへやってきて、その目的を果たしてゆきます。
しかし、西洋人がやってくる以前の太古からこの地に住み、
歴史の中でいったん奪われた土地の所有権をつい20年前にようやく取り戻したアナング族の人々にとっては、
ウルルは聖地であり、彼らの信仰と哲学と歴史のよりどころであり、
さらに、彼らが代々守ってきた法律では登ってはいけないと決められているので、
観光客にも、登山をしないことを求めているのです。
といっても、非常に多くの人々がウルル登山をしていますし、アナング族の人々も観光客の登山を認めてはいるそうです。
僕はぜひ、ウルルのてっぺんに立って、この大平原を見渡してみたいと思っていました。
しかし、ウルルのそばにあるカルチャー・センターの素晴らしい展示をじっくりと見学し、
アナング族の歴史とスピリットを学んで感激してしまった僕は、登らないことを選ぼう、という気持ちになりました。
それでも若干の口惜しさが残ったので、ヘリコプターでウルルの上空を巡るツアーに参加しました。 |
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ヘリコプター・ツアーは 予算や飛行時間、コースなど各種ありました。
僕たちはPHS社
(プロフェッショナル・ヘリコプター・サービス)の
ウルルとカタジュタを巡る40分のコースに
参加しました。
ヘリコプターの窓は大きく、
外側に大きくふくらんでいたので
身を乗り出すようにして 真下までも見下ろせるようになっていました。 |
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登らない代わりにウルルの麓に沿う マラ・ウォークという遊歩道を歩きました。
近くから見上げるウルルは 遠くから見るあのおなじみの姿とは ガラリと違っていました。 |
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マラ・ウォークの終点には ウルルの割れ目から湧き出した水が作る 小さな泉がありました。
ここはひっそりと静まり返っていて 『ウルルの懐』という言葉がピッタリで 印象的な空間でした。 ここはすごく良かったです。
ベンチがひとつだけあって、 そこに座って見上げるウルルの赤い岩壁は ほんとうに美しかったです。
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刻々と姿を変え、 二度と同じ姿を見せることは無いと言われる ウルルですが
僕は、逆光に黒いシルエットになって 浮かび上がるウルルがとても好きでした。 |