ナスカ NAZCA |
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この写真は、『ナスカの地上絵』の中でも最も有名な『ハチドリ』の写真です。
遊覧飛行のセスナ機の窓から撮りました。
ナスカ平原は、ペルーの首都リマから南に500kmほどのところにあります。
広大な平原に、今から千数百年も昔に描かれた巨大な地上絵がたくさん残されています。
どのような人々が、どうやって、何のために描いたのか。
ここは地球上でもっとも謎に満ちた場所の一つです。
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これがナスカの町の風景です。
世界的に有名な地上絵の観光拠点となる町なので
もっと大きくて観光地っぽい所かと予想していましたが、
普通の小さな田舎町という感じでした。
僕たちは暑いなか町じゅうを歩き回り
安宿を何軒も見てまわりました。
裏通りに安くてきれいな宿があったので
そこに3泊することにしました。 |
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マニアックな写真で恐縮ですが
これは僕がぜひ撮りたかった写真で、
うまく撮れたと非常に満足しています。
リマからのバスが坂道をグングン登り、
ナスカ平原の上に出る直前の車窓です。
この写真には、
ナスカ平原を作っている地層が写っています!
あの地上絵の下には、
このような礫層(れきそう)が厚く堆積しているのです。
アンデス山脈の土砂が麓に押し流され
堆積した地層だということが分かります。 |
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ナスカの町からこの小さな飛行機に乗って
地上絵見物にでかけました。
30〜40分の遊覧飛行ですけれど
飛び立って10分後くらいには激しい乗り物酔いになり
『もう降ろして〜』という感じになります。
それでも何とか耐え抜いて
ガンバって地上絵の写真を撮りました! |
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これが空から見たナスカ平原です。
幾つもの川の流れの跡がみえます。
典型的な古い扇状地の地形です。
その中に
明らかに人工的なものと思われる
直線や幾何学模様が見えます。
動物を描いた地上絵は
数十メートル程度の大きさですが
この直線や長方形の図形は
何kmにも渡り地の果てまで伸びていて
本当にスゴイと思いました。 |
僕がナスカでいちばん見たいと思っていたのは、有名な地上絵が『どんな地形の場所に描かれているのか』ということでした。
地上絵はこれまで実にたくさんのテレビ番組や本で紹介されてきました。
しかし、クローズアップで一つ一つの地上絵を撮ったものはあってもナスカ平原自体がどんな場所なのか、
周囲がどういう地形になっているのかが分かるような俯瞰的な映像を、僕は見た事がありませんでした。
大学で地形や地質を勉強していたニンゲンとしまては、そういうことが一番知りたいのです(笑)。
実際に空からナスカ平原を見渡したら、『なるほどそうなっていたのか!』と納得できることや
発見することがたくさんあり、とても勉強になりました。長年の謎が解けた気分です。
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丘の斜面に『宇宙飛行士』と呼ばれる地上絵があります。 |
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これは『クジラ』と呼ばれる地上絵。
この写真ではシッポが上で、頭が下です。 |
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広大な平原に描かれている
巨大な幾何学模様には本当に驚きました。
千年前に描かれた地上絵が、
川の流れた跡の上にあるということは、
川の流れた跡は地上絵よりも古く、
少なくとも千年いじょう昔の洪水の跡だ
ということが言えるのです。
(絵を描いた後に水が流れたとしたら
絵は消えてしまっているはずなので)
そのくらい、ここには滅多に雨が降らないということで、
スゴイナーと思いました。 |
遊覧飛行で猛烈な乗り物酔いを体験し、しばらくは死んだように動けませんでした。
1時間くらい休んで、お昼ご飯を食べたら元気になったので、
午後からはバスでナスカ平原へ行き、地上から『地上絵』を見てみようということになりました。
ナスカ平原には『ミラドール(展望台)』があって、そこに登ると幾つかの地上絵を間近に眺められると聞いていたのですが、
そこまでどうやって行ったらいいのか分かりませんでした。
宿でたまたま出逢った一人旅の日本人、ハセガワさんが
『良かったら展望台に一緒に行こうよ。バスに乗って途中下車して、
帰りは通りかかったバスにヒッチハイクみたいに乗せてもらえばいいんだよ。』と誘ってくれたので、行くことにしました。
3人で、イカという町へ行くバスに乗り、途中で降ろしてもらいました。
まず、ナスカの地上絵の研究に生涯を捧げ、
自費を投じて地上絵の保護を行なったというマリア・ライへさんの博物館を見学しました。
いま僕たちがこうしてナスカの地上絵を見ることができるのは、このマリア・ライへさんの功績によるところが大きいそうです。
今は地上絵のある場所は保護のために立入禁止になっていますが、
昔は大勢の人たちが、車で地上絵の上を走り回ってしまったそうです。
実際、こんにち空からナスカ平原を見たときに一番目に付くのは自動車のワダチで
それらは地上絵よりも遥かに濃く太いラインとなって残っていました。
ここは雨が降らない砂漠であるがゆえに、千年以上むかしに描かれた地上絵が奇跡的に残っているのです。
車のワダチの跡も、きっと千年たっても消えることは無いでしょう。
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これが展望台(ミラドール)です。
あの『やぐら』の上に登ると
『手』と『木』と呼ばれる地上絵が眼下に見えました。 |
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ミラドールに登ると、
ナスカ平原を切り裂いてハイウエイが
地平線まで続いているのが見えます。
地平線のところに見える小さな丘が
ミラドール・ナトゥラール(天然の展望台)
と呼ばれる丘です。
『あそこにも行ってみよう!』と
僕たちは、この道路を地平線に向って歩いて行きました。 |
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果てしないナスカ平原を1時間歩きました。
左がサチコネエサン、右がハセガワさんです。
お巡りさんがバイクに乗ってやってきて
『ええと、皆さん、
道を外れて平原に入ってはいけませんよ。』
と言うので、
『ええ、平原が立入禁止なのは知ってます。』
と答えると、行ってしまいました。
雄大な砂漠の風景に包まれて
この時間はほんとうに幸せな時間でした。 |
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ミラドール・ナトゥラール(天然の展望台)からの眺め。
ここは本当に良かったです!!!
おびただしい数の直線が自分の足元を中心にして、
地平線に向って放射状に
果てしなく伸びているのが見えました。
逆に言えば、
平原に描かれた無数の直線は
この場所に集まって交わっているのです。
ここは地上絵を描いた人々にとって、
絶対に特別な場所だったはずです。 |
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ミラドール・ナトゥラールにいた時間は
この旅行の思い出の中でも
特に大切なものになっています。
鏡のようなナスカ平原。
僕たちにはとうてい解くことのできない壮大な謎と秘密。
3人とも無口になって、それぞれ少し離れて立ち尽くし、
ずっと乾いた風に吹かれていました。 |
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景色に見とれていたら日が暮れてしまいました!
慌ててハイウエイに出て、
通りかかるバスを止めようとしましたが、
日が暮れたせいか、バスが1台も通りません。
バスが来なかったら、
ナスカの町まで砂漠を20km歩かないといけません。
水も食べ物もたくさん持っていたので
満天の星空を見ながら6時間歩くのも
悪くないな〜と思っていたら
バスが来て町まで乗せてもらえました! |