アンデス列車の旅 VIAGE DEL TREN |
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マチュピチュを訪れた僕たちは再びクスコに戻り、次はチチカカ湖を目指すことになりました。
チチカカ湖畔の町・プーノまではクスコから鉄道で10時間です。
標高3400mのクスコから、標高4313mの『ラ・ラジャ峠』を越えて、標高3850mのプーノまで行く高原列車です。
そのルートの大部分が、富士山のてっぺんよりも高いところを走ります。
クスコの駅にキップを買いに行ったとき、この列車には、17ドル(1900円)のツーリストクラスと、
119ドル(13000円)のファーストクラスの2種類の席があると言われました。
マチュピチュへの往復の列車は一番安いクラスの席に乗ったので、
このチチカカ湖行きの列車はフンパツして高いほうの席のキップを買いました。
一人119ドルというのはバックパッカーにとってはちょっと躊躇してしまう値段です。
でも、僕たちはこの旅に出て初めて、新婚旅行らしい優雅な時間を過ごすことができました。
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クスコのワンチャック駅にて。
出発にあわせて、僕たちはだいぶ早く駅に行きました。
長距離列車に乗り込む瞬間は、本当にワクワクします。 |
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最後部の展望車。
ここにはファーストクラスの乗客しか入れません。
展望車では、
乗客にウェルカム・ドリンクが振舞われたり、
地元の楽団によるフォルクローレの演奏や、
ファッションショーなども行なわれました。 |
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プラットフォームでキップを見せると、
車掌さんが席まで案内してくれました。
これは食堂車ではありません。
僕たちの『座席』です。
僕はこれまでこんなにエレガントな列車に乗ったことはありませんでした。
サチコネエサンがケータイで日本の家族に電話をかけて、
『いまペルーで列車に乗ったよ!
すごく豪華だよ!』と話しています(笑)。 |
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朝8時、いよいよ出発です!
いろんな思い出の詰まったクスコの町に
別れを告げます。
さようなら! クスコの町! |
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クスコを出発した列車は、
ビルカノタ川の谷に沿って進みます。
緑豊かな、穏やかな風景が続きます。 |
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時折、平和な静寂を切り裂くように、
雪を頂いた険しい岩峰がとつぜん姿を現します。
アンデス山脈は本当に美しい場所です。 |
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女の子たちが手を振ってくれました!
ひたすら平和な景色の中を進みます。 |
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この路線の最高地点、
標高4313mのラ・ラジャ(ラ・ラヤ)峠に着きました。
ここでは観光停車があり、
乗客はみんな下車して散歩したり、
地元のオバサン達からお土産を買ったりします。 |
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ラ・ラジャ峠を過ぎると、
『アルチプラノ』と呼ばれる平原に入ります。
アルチプラノとはスペイン語で
『高くて平らな所』という意味で、
ここからボリビアまで、
標高3800mの広大な平原が続いています。
これから目指すチチカカ湖も、
そのアルチプラノの中にあるのです。 |
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ファーストクラスの乗客には、
お昼にこんな豪華な食事が出されます。
(食事代は料金に含まれています)
ほんとに美味しくて涙が出てきました。
食後にはデザートも出ます。
ティータイムには、おやつもでます。
アンデスの雄大な車窓を眺めながら
豪華なお昼ご飯を食べていたら、
『ああ、やっと新婚旅行らしくなってきた』
と、しみじみしてしまいました(笑)。 |
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アルチプラノの青空。
富士山の頂上よりも標高の高い所に
こんな大平原が広がっているなんて
地球はスゴイナーと思いました。 |
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展望車のサチコネエサン。
日も傾いて、もうすぐプーノに着きます。
このアンデス列車(ペルーレイル)の乗車体験は、
5ヶ月の切り詰めた旅行の中で数少ない
『新婚旅行らしい』優雅な時間で、
ほんとうに思い出に残っています。
きっと一生忘れないと思います。 |
終着駅のプーノには夕方6時ころ着きました。
僕たちは宿を決めていなくて、普通に町なかを歩いて何軒かあたってみようと思っていました。
ところが、列車の中で出会った人に、
『プーノの駅や町なかはドロボウやスリ、強盗にサギがたくさんいて危ないよ。
宿をちゃんと決めて、タクシーで行った方がいいよ。』と言われました。
そこで僕たちは、ガイドブックに載っていたホテルの中から、
1泊二人で2000円くらいの『インテルナシオナル』という中級ホテルを選び、
とりあえずそこに行ってみることにしました。
その人たちが、駅で捕まえたタクシーに一緒に乗せてくれて、僕達の宿に寄るようにと運転手さんに言ってくれました。
ホテル『インテルナシオナル』に行って部屋が空いているか聞くと、『あるよ』とのことだったので、部屋を見せてもらい、
なかなか快適そうだったので泊まることにしました。
親切な人たちのお陰で、プーノでの宿はすぐに決まりました。
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