マチュピチュ MACHU PICCHU |
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マチュピチュは世界で最も有名な遺跡のひとつで、多くの人々の憧れの場所です。
細い山道を登り、遺跡が目の前に開けた瞬間は、ほんとうに身体が震え、息をのみました。
この空中都市を作ったインカ帝国は、16世紀にスペイン人に滅ぼされてしまいました。
それからずっとこの遺跡は歴史の闇に埋もれてしまっていましたが、
1911年にアメリカの探検家ハイラム・ビンガムさんによって再び発見されたのです。
マチュピチュへ行くのにも、ひと苦労でした。クスコからマチュピチュへは列車で行きました。
クスコを出て1時間ほどしたら列車が急に止まり、
『線路に土砂崩れがあり通れないのでクスコに戻ります』というアナウンスがありました。
乗っていた観光客は皆で大ブーイングです。 その日は結局マチュピチュに行けませんでした。
何日も前にキップを買って、暗いうちから早起きして列車に乗ったのに!
その列車のキップの払い戻しと、翌日のキップを買い直す手続きはまさに一日がかりでした。
なにしろその列車に乗っていた人たちがみんな『どうにかしろ!』と駅のカウンターに押し寄せるわけで、
何時間もひたすら待たされました。
なんとか無事に翌日の列車に乗ることができまして、
今度はちゃんとマチュピチュ遺跡の玄関の町、アグアス・カリエンテスに着きました!!
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クスコからマチュピチュまでは
この鉄道に乗って約4時間。
美しい渓流にそってどんどん下ってゆきます。
この川はやがてアマゾン川に合流し
大西洋まで流れてゆくのです。
壮大な水の旅の始まりです。
マチュピチュ遺跡の標高は
クスコよりも1000mくらい低いので、
列車が谷を下るにつれて空気がドンドン濃くなって
ゆくのが分かり、生き返る気分でした。 |
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マチュピチュ遺跡のすぐ下にある
アグアス・カリエンテスの町。
アグアス・カリエンテスという町の名前は
スペイン語で『お湯』という意味です。
その名の通り、この町には温泉があります。
(ヌルいので温水プールみたい)
駅から温泉へはこのような狭い坂道が続いていて、
箱根湯本みたいだなーと思いました。
泊まった宿はこの坂道の上のほうです。 |
マチュピチュ遺跡の入園料は高額で、僕達が行ったときは一人一日5000円くらいでした。
これは物価の安いペルーにおいては、べらぼうな金額に思われました。
もちろん遺跡の保護と保存のための費用を観光客から集めるのは当然ですが、
それ以外にも外貨獲得というものが、だいぶあるのでしょう。
入園料がそんなに高いと何日も通うわけにもいかないので、なるべく天気の良い日を選んで、
早朝から夕方までミッチリ見て一日で済まそうということになりました。
アグアス・カリエンテスの町に着いてから数日間はずっと大雨だったので、
宿で洗濯をしたり、温泉へ行ったり、近所のネット屋さんで調べ物をしたりして過ごしました。
こういう旅の良いところは、『ほんとうに見たい場所は晴れるまで何日でも待つ』ということがいくらでもできることです。
3日目の朝、深い谷底にあるアグアス・カリエンテスから見上げる稜線の上に、真っ青な空が広がっていました。
『よし! 晴れた! 今日こそ行こう!』と、張り切って僕たちは宿を出ました。
遺跡行きのバスは、険しいジャリ道をクネクネと登って行きます。
バスを降り、入園料を払って、ゲートをくぐり、ドキドキしながら山道を登ってゆくと、
急に視界が開けて、遺跡が目の前に広がりました。
今まで世界遺産のテレビ番組や、本やガイドブックでさんざん見てきたおなじみの風景。
でも、いま見ているのは本物です。僕たちはついに、幻の空中都市に来ました。
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マチュピチュ遺跡は
想像していたよりも遥かに広大なものでした。
遺跡内の高低差も激しく、
石段をかなり上ったり降りたりしなければなりません。 |
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立体迷路のような石垣の中を歩くと
ここに生きていたインカの人々の
息づかいまで感じられるような気がしました。 |
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マチュピチュ遺跡の目玉のひとつ、『太陽の神殿』。
美しい曲線が石垣で作られています。 |
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この石は、南十字星を表しているのだと
ガイドブックに書いてありました。
確かに形はとてもよく似ています。 |
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段々畑。
これも、ものすごく壮大なものでした。 |
結局、僕たちは一日では遺跡を見きれずに、2日通いました(笑)。
高い入園料も2回払ったわけですが、もったいないという気分にはなりませんでした。
きっともう二度と来られないのだから、気が済むまで見ておこう!という感じです。
おかげで、いろんな表情のマチュピチュを見ることができました。
意外なことに、晴れているときよりも、いちめん濃い霧に包まれて小雨がシトシト降るマチュピチュ遺跡が
ほんとうに神秘的で良かったです。鳥肌たちます!
ところで、遺跡の中を歩きまわったのも素晴らしい体験でしたが、
僕がマチュピチュで一番印象に残っているのは、『ワイナピチュ』への登山です。
↑いちばん上の写真にも写っていますが、マチュピチュの写真には必ずと言っていいほど
遺跡の向こう側に険しく尖った山が写っているでしょう。あれが『ワイナピチュ山』です。
あの山の頂上まで道があって、1時間ほど登ると頂上に立つことができます。
僕がマチュピチュで一番楽しみにしていたのが、
あの尖った山のてっぺんに立ってそこからマチュピチュ遺跡を眺めることでした。
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これがワイナピチュ山です。
よく見ると、頂上にもインカの時代の
石垣が作られているのが見えます。 |
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これが、ワイナピチュ山頂からの眺めです!!!
真ん中の稜線の上に広がっているのが
マチュピチュ遺跡です。
三方を深い谷に囲まれた遺跡は、まさに空中都市です。
遺跡の左のほうには、
アグアス・カリエンテスに続く道が
つづら折になって続いてます。
バスはこの道を上ってきます。 |
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ワイナピチュ山頂でたそがれるサチコネエサン。
ここからの360度のパノラマは本当にスゴイです!!!
1時間くらい、ひたすら景色を眺めていました。
こんなに高く険しいアンデスに
巨大な帝国を築いたインカ文明は
やはり地球の大きな謎です。 |