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ビクトリア滝 VICTORIA FALLS

これは、アフリカのジンバブエとザンビアの国境にある『ビクトリア滝』です。
落差は108m、幅は何と1700m。北米のナイヤガラ滝、南米のイグアスの滝と並んで世界三大瀑布に数えられます。
ここを訪れることも、アフリカでの大きな目的のひとつでした。

ビクトリア・フォールズの空港。
今回の旅行の8カ国目、ジンバブエに来ました!

僕たちはケープタウンを出発し、ヨハネスブルグで飛行機を乗り換え、
ジンバブエ共和国のビクトリア・フォールズの空港に着きました。が、この日はハプニング続きの試練の日でした。

最初のハプニングは、ケープタウンの宿に、朝、迎えのクルマが来てくれなかったことです。
飛行機が早朝だったので、前日に宿のお姉さんに空港までのクルマを手配してもらっていたのに、
当日の朝お迎えが来なかったのです!!

まだ暗いうちから宿の前でずっと待っていたのに、クルマは一向に来ません。
焦って宿のベルを鳴らし続けると、眠そうなお兄さんが出てきて、ツアー会社に電話してくれました。
そうしたら、『そんな予約は受けていない』と言われてしまったそうです。

もはや誰の責任かなどと言っている場合ではないので、急いでタクシーを呼んでもいらいました。
『ダメだ!もう間に合わないよ!』と絶望する僕たちに、
宿のお兄さんは『大丈夫だ。ヨハネスブルグまでは国内線だから手続きも少ない。絶対乗れるよ』と言いました。

タクシーが来たので、運転手さんに『時間が無い!飛行機に乗り遅れる!空港まで急いで〜!』というと、
未明の高速道路を時速700kmで(ウソです)すっ飛ばしてくれて、どうにか飛行機に乗ることができました。

が、しかし、ビクトリア・フォールズの空港に着いたとき、預けていた荷物が出てきませんでした。
いわゆるロスト・バゲージです! 二人ともです。これは本当にショックでした。
今回の旅行で、いちばんヘコんだ事件は、これです。
牧歌的なアフリカで荷物が無くなったら、もう手元には戻らないだろう、と絶望してしまいました。

ガッカリしていると、空港職員のオバサンが声をかけてくれました。この人は本当に親切で、
すっかり意気消沈している僕たちを明るく励まし、
『大丈夫、荷物は手違いがあって別の飛行機に積まれただけよ。ちゃんと戻ってきたら宿に届くよう に手配するから』と言って、
手続きの仕方をていねいに教えてくれました。
それでも僕たちは悲観的な気分のまま、手荷物だけを持ってとりあえず宿に向いました。
 

ビクトリア・フォールズは世界的な観光地とあって、
ホテル料金が高いです。
安宿もあまりありません。

そのため、
僕たちはキャンプ場のシャレーという名の小屋に
4泊滞在しました。
これは格安で良かったです。
トイレとシャワーは共同で、別棟にあります。

小屋の上で輝いている明るい星は、
大犬座のシリウスです。

キャンプ場には野生のサルの群れが
普通にやってきます。

大変ありがたいことに、無くなった荷物は航空会社が翌日キャンプ場に届けてくれました。
当たり前といえばそうなのですが、この時は本当に嬉しくてアフリカの空も輝いて見えました。

キャンプ場に荷物が届けられたのは、僕が一人で近所に買い物に行っていたときです。
帰ってきて、受付のオバサンに、『僕たちの荷物、まだ来てませんよねえ、、、』と期待しないで聞いたら、
オバサンは『あ〜、イエス。』と答えました。

僕は、一瞬、ああやっぱりねとガッカリしたのですが、大事なことを思い出しました。
『待てよ? 英語では、『来てないですか?』と否定文で聞いたときにイエスと答えたら、
『いいや、来たよ』という意味になるのではなかったっけ???』と思って、
『え、来たの??』と尋ねると
『うん、来たよ。アンタの留守中にきて、アンタの奥さんがもう小屋に持っていったよ』と言いました。
僕は、オバサンの手を握ってお礼を言い、喜びました(笑)。
 

ビクトリアの滝の幅は1700m!

一か所から全体を見ることはできません。
滝の向い側に整備された遊歩道から
部分的に眺めていきます。

これは、ビクトリア滝の一番西側の滝。
もうこれだけで、モノスゴイ迫力です。

遊歩道を進むとメイン・フォールズという
中心的な滝が見えてきました。

これより近づくと、滝の水しぶきで
霧の中のようになり見えなくなってしまいます。

メイン・フォールズの正面。

水しぶきで何にも見えないのですが、
まれに一瞬、こうして滝が姿を現します!

滝壷に落ちる大量の水が舞い上がり、
台風の中にいるような暴風雨(?)です。
傘もまったく役に立ちません。

このような格好で行かないとダメです。

ビクトリアの滝はほんとうにスゴカッタです。アフリカって凄い!と心から思いました。

昼間の滝も凄いのですが、夜には信じられないくらい幻想的な風景が現れます。
それは、『ルナ・レインボー』。満月の光と、滝の水しぶきが創りだす『夜空の虹』です。
これは、本当に凄いです。(アフリカを旅すると、もう『凄い』という言葉しか出なくなってきます)

ビクトリアの滝は夜間は立入禁止になるのですが、
一ヶ月のうち満月の晩を含む3日間だけはルナ・レインボーを見る観光客のために入場できるようになります。
とはいっても非常に危険なので、
入場ゲートのビジターセンターに集合して、レンジャーさんの引率のもと、みんなで参ります。

日が暮れて、東の空に昇った大きな満月。煌々と夜空を照らしています。
そして振り返ると、滝壷から立ち上る水煙のスクリーンに、完璧な虹のアーチがかかっているのです。
とても儚く、淡く、しかしちゃんと七色なのです。
虹の上にはたくさんの星が瞬いています。人々の歓声も溜め息も、大瀑布の轟音にかき消されます。
この光景は、やっぱり『凄い』としか言いようがないのですよ。

僕は、泊まっていたキャンプ場から見るビクトリア滝も大好きでした。
1kmほど離れていますので、滝そのものは見えません。しかし、滝から立ち昇る水煙が空に舞い上がり、
やがて雲のようになって空を流れて行くのが、いつも見えているのです。

夜には、よく小屋の前の芝生に座って、コーヒーを飲んだり、ビールを飲んだりしながら星を眺めました。
ビクトリア滝の水煙が、満月に青く照らされています。月明かりの中で、南十字星も輝いています。
『ここはアフリカなんだな〜』なんてしみじみしながら、幸せな時間をすごしました。
 

ジンバブエ共和国はとてもノドカな所です。
とくに印象深かったのが人々の気質の穏やかさです。
ほんとうにみんな素朴で『いい人』でした。

ヨハネスブルグ行きの飛行機に乗るとき、
あの親切な空港職員のオバサンと再会しました。
僕は、知っている限りの感謝の英語を並べて
お礼を言いました。

オバサンは、『荷物が戻って良かったね』と言いながら、
真っ黒な顔に真っ白な歯を光らせて笑いました。

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新婚旅行記 第3部