おうし座は虫取りアミ |
畢(ひつ)、昴(ぼう)、天関(てんかん) |
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「おうし座」は星占いにも出てくるのでたいへん有名な星座です。
星を結ぶと、なるほど長い2本のツノをつきだした牛のように見えます。
ところでこれは、ギリシア神話に出てくる「ゼウス」という一番えらい神様が、
エウロパという人間の女の子をナンパするために美しい真っ白な牛に化けた姿です。
エウロパさんはすっかり騙されてしまい、牛の背中にこしかけてしまいました。
そのとき急に牛が走りだし、遠い国へさらわれてしまったということです。
最近はぶっそうですので、人さらいには十分注意しましょう。
牛の目のところに、オレンジ色の明るい星があります。アルデバランという星です。
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中国の星座では、牛の顔のあたりが「畢(ひつ)」という星座になっています。
畢というのは、鳥やウサギなどを捕まえるときに使う「あみ」のことだそうです。
ちょうちょやセミを捕まえるときの虫取りアミのかたちにも見えます。
牛の肩のところには、とてもめずらしい星があります。
夜空で見ると、さいしょは雲のかけらのようにボーっとした光に見えるでしょう。
でもよく見ると、くらい星がたくさんあつまっている様子が分かります。
普通は6個くらい星が集まって見えます。
僕は中学生のころテレビゲームのやりすぎで目がとても悪くなってしまったのですが、
目のよい人は10個くらい星が見えるといいます。
この星の群れは、西洋では「プレアデス星団」と呼んでいます。
プレアデスというのは神話にでてくる姉妹の名前です。
日本では昔から「すばる」とよんでいました。
「すばる」というのは、古い日本語で「ひとつにまとめる」という意味だそうです。
以前、ぼくの相棒のサチコネエサンが、ピアノで曲を作って、ぼくに詞をつけろと言いました。
その曲はとても神秘的で、なんとなく青い感じがしたので、ぼくはこの「すばる」の歌詞を考えました。
そうしてできあがったのが「ブルー・スターズ(イン・マイ・ハート)」という歌です。
意味は、「私の心の中の青い星たち」という感じです。
ぜひCDを買って聴いてくださいね(コマーシャル)。
歌の話はどうでもいいのですが、中国ではこの「すばる」のことをを「昴(ぼう)」とよんでいました。
「昴」という言葉の意味は、よく分からないのだそうです。
中国の星座の名前には、このようにどういう意味なのか、もう分からなくなってしまっているものもたくさんあるのです。
あなたも、もし興味がわいたら、研究してつきとめてください。
そして、角の先っぽの星は「天関(てんかん)」という星座です。
この星ひとつで、星座なのです。
中国の星座ではこんなふうに、一つの星が一つの星座というものが、 いくつもあります。
「天関」という言葉は、「天にある関所」という意味なのだそうです。
なぜそんな名前がこの星につけられたのかはよく分かりませんが、
このあたりは、木星や土星、火星などの「惑星」という種類の星の通り道になっていて、
それらの星がまるで旅人のように時々この星の近くを通りますから、
そのことと何か関係があるのかもしれません。
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