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ぎょしゃ座は5つの車
五車(ごしゃ)
冬になると、頭の真上には、明るい5つの星が作る5角形が見えます。
これはけっこう目立ちます。
星に興味を持ち始めた人が、けっこうさいしょにおぼえる星座のひとつです。
この5角形は、西洋では「ぎょしゃ座」という星座です。
とても言いにくいので、早口でいうとギョーザになってしまうので注意してください。

ぎょしゃというのは、「馬車を運転する人」という意味なのです。
ギリシア神話に、エリクトニウスという王様が出てきます。
足が不自由だったのですが、馬車を作って、それに乗って戦場でも勇敢に戦ったそうです。

神話では、ぎょしゃ座になっているのは王様ということになっているのですが、
ぼくが昔からよく見る星座の本や、古い時代の書物などには、
上の絵のように、普通のおじいさんが小さなヤギを抱いている絵があてはめられています。

5角形の右上の角の星は、たいへん明るい1等星です。
色は金ピカですので、とても目立ちます。
この星は「カペラ」という名前です。
「カペラ」というのは、「メスの子ヤギ」という意味なのだそうです。
ですから、星座絵のおじさんは、かならずヤギを抱いているように描かれるのです。

ちなみに、片方の手はヤギを抱いていますが、もう片方の手には、「だづな」というロープを握っています。
このロープは馬の顔につながっていて、ひっぱったりゆるめたりして馬をあやつるのです。

ところで、星座の結び方というのは、いろんなものがあって、
本によっても違いますし、プラネタリウムを見に行っても、解説員の人によっても違うことがあります。

僕は、ぎょしゃ座は、ただ5角形に結ぶよりも、下の図のように、まわりの暗い星もふくめて、
とんがりぼうしをかぶった人の横顔みたいに結ぶのが好きです。
中国ではこの5角形を「五車(ごしゃ)」という星座にしました。
「ぎょしゃ」と「ごしゃ」、偶然の一致とはいえ、とても似ていますね。

しかも、中国でも、これは馬車の星座なのです。
五車とは、「5種類の戦車」という意味なのだそうです。
攻撃のための戦車とか、守りのための戦車とか、王様が乗るための立派な戦車とか、いろいろな種類があったそうです。

じつは、ぼくの家にもいろいろな車がありますが、それは「くちぐるま」とか「火のくるま」とかいう、ヘンなのばっかりです。

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