かんむり座はお金を束ねるヒモ |
貫策(かんさく) |
初夏のころ、頭の真上には丸く小さく並んだ星たちが見えます。
そんなに明るい星はないけれど、形がとてもきれいなので目につきます。
西洋では、エーゲ海に浮かぶクレタ島のアリアドネというお姫様の「かんむり」に見立てて、かんむり座という星座になりました。
アリアドネというお姫様は、よその国の王子さまを好きになって、いろいろその王子様の冒険を助けたりしたのですが、
途中で、おきざりにされてしまったかわいそうな女の人です。
ぼくの友達で、恋愛経験がとても豊富な人がいるのですが、
好きになった相手のために、あんまり尽くしてしまうと、かえって捨てられるのだと言っていました。
これはおそろしいことです。みんなで気をつけましょう。 |
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この星座でいちばん明るい星は「ゲンマ」という名前です。
「ゲンマ」というのは、「宝石」という意味なのだそうです。
きっとアリアドネさんのかんむりには、きれいな宝石がついていたに、ちがいありません。
僕はかんむりの絵を描きましたが、宝石は赤いルビーにしました。
ひょっとしたら、エメラルドか、ダイヤか、ラピスラズリだったかもしれません。
日本でもこの丸くならんだ星たちに注目して、「くるまぼし」「たいこぼし」「かまどぼし」などと呼んだ地方があったそうです。
中国では、「貫策(かんさく)」という星座になっています。 |
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「貫策」というのは、「突き通すヒモ」という意味です。
これは、日本の5円玉や50円玉のような穴のあいたお金をたばねておくためのヒモです。
きっとこんなふうに、お金を束ねていたのだと、思います。 |