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オリオン座は白い虎
参(しん)
オリオン座はとても有名な、冬の星座です。
教科書にものっていますから、星のことなんか全然興味がない人でも、この星の並びに見覚えがある人も多いと思います。
砂時計みたいにも見えますし、ちょうちょをタテにしたようにも見えます。
日本では「つづみぼし」というニックネームで呼んだところがあったそうです。
これは、「つづみ」という日本の古いタイコを横から見た形に似ているためです。
オリオンとは、ギリシア神話に登場する狩人の名前です。
たいへんな力持ちで、どんな動物でも、いちげきで、倒してしまったそうです。
この砂時計のような星たちのまわりにある、暗い星たちもふくめて結ぶと、下の図のような形に星が結べます。
どうですか?なんとなく、人間のかたちに見えませんか?
右手には「こんぼう」という武器を振り上げ、左手にはライオンの毛皮を持っているのです。
昔は「鉄砲」がなくて、こうして棒で動物をたたいて捕まえたのです。

ちなみに、オリオンはとても大きくて強かったのですが、
いつも「自慢」ばかりしていたので、神様に嫌われて、殺されてしまいました。
神様の命令をうけたサソリに刺され、その毒で死んだのです。

自慢をすると、その場ではみんな「まあ!それはすごいですねえ!」なんて 言ってくれますけれど、
本当は、あなたがいないところで、みんなあなたをバカにするようになってしまいます。
これは本当におそろしいことです。みんなで気をつけましょう。

中国では、ここに「参(しん)」という星座を作りました。
参(しん)というのは、数字 の「3」という意味なのだそうです。
さいしょは、オリオンのベルトのところにある三ツ星のことを指したそうなのですが、
これを囲む4つの星もまとめて参というようになったそうです。
中国では、上の図のように結びます。
7つの星全体では、まるで動物が両手両足を広げて立っている姿のような形に なります。
これは、「白虎(びゃっこ)」という動物を表しているとも言われます。
「白 虎」とは、「白いトラ」のことで、中国の人たちにとっては大切な守り神です。

トラという動物を知っていますか?
日本には動物園か、甲子園球場くらいにしかいませんね。

昔の中国の人たちは、それぞれの方角に動物の姿をした神様がいて、守ってくれていると考えていました。
北には「玄武(げんぶ=黒いカメ)」、南には 「朱雀(すざく=赤い鳥)」、東には「青龍(せいりゅう=青いドラゴン)」、
そして西には「白虎」です。

こうした考え方は、日本にも伝わっていて、日本の歴史のお勉強をしていると、ときどきこういう言葉に出くわすことがあります。

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